GERBERA PARTNERSブログ

法人税|美術品等の減価償却が改正されました

2016/02/29

Q 美術品等の減価償却について改正があったとのことですが、どのような改正があったのでしょうか。

 

A 以前の法人税法では、「時の経過によりその価値の減少しないもの」は減価償却資産から除くことと規定されています。

 

 美術品等(絵画や彫刻等の美術品のほか、工芸品等が該当するとされています。)については、減価償却資産とするか非減価償却資産とするかの判断は極めて困難です。そのため、一種の外形基準として、「美術関係の年鑑等に登載されている作者」をプロの作者として通用するものとみなし、その者の制作に係る書画、彫刻、工芸品等は、原則として減価償却資産には該当しないとしていました。また、その外形基準だけでは全てを律しきれないため、「取得価額が1点20万円(絵画にあっては、号2万円)未満であるもの」については、減価償却資産と取り扱うことができることとされていました。

 

 しかし上記のような取扱いは、美術品等の多様化や経済状況の変化等により、現行基準による減価償却できる美術品等の範囲が取引実態と乖離してきました。そこで、その実態に応じて取扱いを見直すことになりました。

 

 実態に応じて取扱いの見直しを行った結果、改正後の取扱いは以下のようになりました。

 

 多くの者の目に触れる場所の装飾品として用途が限定されており、もし転売等をしようとしたとしても美術品等としての実質的な価値がないと見込まれるものについては、「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」といえ、減価償却資産として取り扱うことが適当との考えを国税庁は示しています。

 

 また、従来は1点20万円(絵画にあっては、号2万円)以上か否かで判断していましたが、今回の改正で1点100万円以上に引き上げられました。また、絵画の価格についても号当たりの基準を廃止しました。

 

 改正の適用時期ですが、平成27年1月1日以後に取得する美術品等について適用し、同日前に取得した美術品等については従前のまま非減価償却資産とするか、適用初年度において事業の用に供しているものについては、適用初年度から減価償却を行うことができるとされています。

 

 適用初年度において減価償却資産の再判定を行わなかった美術品等については、従前の取扱いのとおり、減価償却を行うことができませんので、留意が必要です。


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