GERBERA PARTNERSブログ

法人税|熊本地震による復旧工事や修繕費用は全て修繕費処理ができますか?

2016/06/30

Q 熊本地震により自社の工場が大きく損壊したため、復旧工事を行っています。復旧工事の内容は工場の原状回復を目的としていましたが、最終的には工場の資産価値を高める結果となりました。

この場合、資産価値を高めるために支出した費用はすべて資本的支出として資産計上する必要があるのですか?

 

A 災害等により被害を受けた資産(以下「被災資産」)の効用を維持するための補強工事、排水若しくは土砂崩れ等を防止するために支出した費用については、資本的支出の要件※に該当するものであっても修繕費として処理することができます。(法人税法基本通達7-8-6)

 

 ※資本的支出とは資産の使用期間を延長させる支出又は資産価値を増加させる支出であり、具体例として下記のものがあります。 

 

資料➀

 

 

 あくまで被災資産(資産の評価損の規定による評価損を計上している資産を除く)の復旧を目的としたもので、被害直前の状態を維持するために要した費用に限られます。

 

 例えば、被災資産についてより耐震性を増すような補強工事を行った場合の支出は修繕費に該当しますが、被害に遭っていない資産に対しても同様に耐震性を高める工事を行った場合には、被災資産以外の部分に係る支出は修繕費に該当せず、資本的支出となります。

 

 また、被災資産について支出した費用のうち、その費用が資本的支出又は修繕費のいずれに該当するか明らかでないものがある場合において、その金額の30%相当額を修繕費とし、残額を資本的支出として経理しているときはこれらの処理は認められます。

 

 ただし、被災資産の復旧工事に代えて資産を取得した場合、たとえ被災資産の代用として取得したものでも新たな資産の取得となります。

 

 そのため、その取得費用は修繕費ではなく資本的支出に該当し、全額を資産計上する必要があります。

 

 実務上は上記以外にも様々な支出があり、その支出が修繕費又は資本的支出の何れに該当するかについては、慎重な判断が必要となるためご注意ください。

 

 


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