GERBERA PARTNERSブログ

海外労務,国際税務|中東・イスラーム商業圏などの国際税務について注意すべきポイント

2017/05/11

Q 当社は、サウジアラビアに現地法人を持つ日本企業です。日本から海外赴任者や出張者が増え、税務に関して日々の処理に追われています。国際税務で注意すべきことはありますか?

 

A 中東・イスラーム商業圏に限らず、中国、ベトナム、インドに進出している日本企業にとって税務面で注意すべき点を説明致します。

 

まず世界的な税務当局の傾向として、「人の動き」に敏感になっています。日本から海外へ転出するときには、日本の国税当局が目を光らせていますし、また現地税務当局では「この日本人は現地・日本どちらの業務に関わっていて、現地・日本どちらから給与をもらっているのか」ということに注力しています。

 

そのため、日本本社の人事部や現地の人事担当者などは、人材の異動があった場合は税務についても管理しなくてはいけないのです。

 

【1 中東の租税条約】

 

サウジアラビアの租税条約(「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とサウジアラビア王国政府との間の条約」)は、平成23年に発効されました。そのため配当、債権から生じた所得(利子)、使用料について、課税が軽減されました。

 

また平成26年にはUAE(アラブ首長国連邦)でも租税条約が発効されました。租税条約が発効されたため、現地税務当局並びに国内税務当局は益々納税に力を注ぐ傾向になることが今後予想されます。

 

【2 キーワード:「出向」「帰任」「役員」】

 

中東も含め国際税務で注意すべきは、以下の3点です。

(1)「出向」中の非居住者に日本出張させた場合。(よくある日本本社で「少しだけ」働いた場合)

(2)「帰任」後の居住者に海外税金を補てんした場合。

(3)「役員」が非居住者になった場合。

特に最後の役員については、各国の税法で意味が異なるので注意が必要です。

 

この問題を解決するには、人事部が「人の移動」に関して『出向契約書』など文書で記録を残しておくことです。かつては租税条約や183日ルールがあるから、大丈夫と考えていた関係者も「物理的な労働」に注目されていることを意識する必要があります。

 

これは現在の国際的な税務当局の傾向ですが、他の国よりも給与が多い日本人海外赴任者から税金を取りたがっています。実際、中国、ベトナムではペナルティ課税が多発化しています。

 

【3 喜捨(ザカート)税について】

 

イスラーム商業圏に特有な税金として、ザカートがあります。

 

サウジアラビアを含むGCC(湾岸諸国)の企業に対しては、ザカートと呼ばれる喜捨税が課せられます。外国企業と地場企業で合弁企業を設立した場合には、利益の合計のうち、外国企業の持ち分に対して20%の法人所得税、地場企業の持ち分に対してザカートが課せられ、合計額が該当の合弁企業の法人所得税となります。このザカートに関しては「イスラーム金融」にも関わるテーマですので、また別の機会に解説致します。

 

*喜捨:本来は仏教用語で、みずから進んで金品を寄付すること

 

国際税務・国際労務に関わる出向契約書等各種文書作成などでお困りの場合には、弊社にご相談ください。

 

 


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