GERBERA PARTNERSブログ

酒税|毎日飲むビールの税金について知ってますか?

2015/03/16

Q 私たちが日ごろ何気なく飲んでいるビールの税金ってどのくらいですか?発泡酒や第3のビールはどうして安いのですか?

 

A まずは、お酒にかかる酒税について簡単にご説明します。

 酒税とは消費税の一つであり、アルコール分1度(1%)以上の酒類にかかる税金です。酒税の納税は酒類製造者である酒造メーカーが行っていますが、酒税を実質的に負担しているのはお酒を購入する消費者である私たちです。酒税の税率は、お酒(酒類)の種類によって決められており、そのお酒がどの種類の酒類に該当するかは酒類の製法(製造方法)により厳密に定義づけされています。

 

 では早速ビールの税金についてみてみましょう。今では贅沢品にすら感じるビールですが、酒税法ではビールとは製造方法が麦芽とホップと水を原料として発酵させたもので、アルコール分が20度未満のものと定義されています。この製造方法で作られた酒類には、1キロリットルにつき220,000円(350ミリリットルだと77円)の酒税がかかっています。

 

 次に発泡酒の税金についてみてみましょう。発泡酒とビールとの違いは麦芽比率と使用原料にあります。麦芽比率とは、水以外の原料の重量に占める麦芽の重量の割合のことです。発泡酒では麦芽比率に応じてさらに3段階に税額が分かれます。麦芽比率が25%以上で50%未満であれば1キロリットルにつき178,125円(350ミリリットルだと62円)、麦芽比率が25%未満であれば1キロリットルにつき134,250円(350ミリリットルだと46円)の酒税がかかっています。そしてこの麦芽比率が50%以上であればビールと同じ税率(1キロリットルにつき220,000円)の酒税がかかります。

 

 最後に第3のビールの税金についてみてみましょう。第3のビールは(1)その他の醸造酒に該当するものと(2)リキュールに該当するものの2種類に分かれます。(1)のその他の醸造酒に該当する酒類では麦芽も大麦も使用せずに糖類やたんぱく質物分解物を使用して製造します。(2)のリキュールに該当する酒類は発泡酒にスピリッツ(麦を使用した蒸留酒)を加えて製造します。上記2種類の製造方法により製造された酒類はビールや発泡酒ではなく「その他の発砲性酒類」に分類され1キロリットルにつき80,000円(350ミリリットルだと28円)の酒税がかかります。

 

 酒税は消費税であるため消費者が購入するお酒の金額には既に酒税が含まれています。つまりビールよりも発泡酒、発泡酒よりも第3のビールの方が、税率が低い分相対的に価格が安くなっていくわけです。ビールに比べ発泡酒や第3のビールがなぜ安いのかお分かりいただけたでしょうか。

 

 最近では第3のビールとして販売した商品の製造方法が第3のビールにはあたらないのではないかとの指摘を受け116億円の追加納税をしたということがありました。

 この酒税の税率の違いが見直されようとしています。政府は、ビール/発泡酒/第3のビールそれぞれの350ミリリットルあたりの酒税を一律約55円にそろえるという案を検討しています。実施はまだ先の話ですが、この案が実行されるとビールは減税になりますが、発泡酒や第3のビールについては増税となります。消費者に安いビール類飲料を提供しようとする企業努力を無にするような酒税法改正ではありますが、消費者の視点からはビール派にはうれしい改正だとの声もあり賛否両論あるようです。

 

 普段何気なく飲んでいるビールですが身近な飲み物だからこそ、このように税金について考えてみるのも面白いのではないでしょうか。