GERBERA PARTNERSブログ

人事制度|限定正社員とは?(1)「エリア社員」「時短社員」の活用方法

2015/11/17

Q 最近、「限定正社員」とか「多様な正社員」という言葉をよく聞きます。どういう意味で、そもそも会社にとって、どのようなメリットがあるのでしょうか?

 

A 厚生労働省のパンフレットには次のような説明があります。

 

「正社員と非正規雇用の労働者の二極化を緩和し、労働者一人ひとりのワーク・ライフ・バランスと、企業による優秀な人材の確保・定着を図るため、労使双方にとって望ましい多元的な働き方=職務、勤務地、勤務時間を限定した「多様な正社員」制度の実現が求められています!」

 

中小企業を中心に、各業種で人材不足が叫ばれる中、優秀な社員を確保するため、または離職防止のために、「正社員をコース別に分ける」制度が導入され始めております。

 

大企業ではすでに、「コース別人事」「総合職と一般職」「エリア社員や専任職」といった制度が普及しており、多様な正社員制度が導入されております。

 

しかし、中小企業では「正社員」と「契約社員・パート」という二区分が一般的です。

 

前者は「無期雇用・月給制・社会保険あり」、後者は「有期雇用・時給制・社会保険一部無し」というように、待遇面で大きな差を付けているのが一般的です。

 

こうした待遇の差は、人件費の抑制という観点が強いものでした。人事政策においては、正社員を抑制して、人件費を変動化するというのが定石というべき必勝パターンでしたし、事実、かつての「人手余り時代」「デフレ経済時代」では有効に機能しておりました。

 

しかし近年では、人材確保や離職防止が喫緊の課題となるなど、状況が急速に変化しており、経営・管理サイドの認識が現状に対応できていない状況です。

 

さて、以下では限定正社員とはどのようなものであるかを見ていきたいと思いますが、そもそも「正社員」とは何でしょうか?

 

一般的には「無期雇用」「週40時間勤務」「月給制・賞与あり」「人事異動がある」といったイメージですが、実は法律上は、明確な定義がありません。「正社員」は各々の会社の就業規則で決まるものなのです。

 

就業規則が全面的に適用される社員が「正社員」になります。対して、給与や労働時間などの規定が適用外になるのが「契約社員・パート」などの非正規社員という言い方になります。

 

ここで限定社員というのは、次の3種類です。

 

(1)勤務地限定正社員(「エリア社員」「地域社員」など)

(2)職種限定正社員(「専任職」「一般職」など)

(3)短時間正社員

※限定のない正社員については、区別するために「総合職」「ゼネラル社員」などと呼んでいる会社もあります。

 

このような制度を設けることで、中小企業にとって、どのようなメリットがあるかを考えてみたいと思います。

 

1  離職防止対策になる

近年問題になっているのが、育児出産離職・介護離職です。

経験を積み優秀なマネージャークラスの女性社員が結婚や出産で離職してしまうケースは中小企業ではまだまだ多いと思います。

 

かつては「寿退社」と、のんきに構えていた時代もありましたが、近年では、欠員補充もままならないわけで、そのような余裕はありません。

 

仮に復職できたとしても、家庭との両立を考えてパートタイムで復職することになると、能力に見合った処遇が難しくなります。

 

ベテランの管理職が親の介護のために離職するケースもますます増えています。ベテランの貴重なノウハウの継承という観点からも、介護と仕事が両立できる制度整備が必要です。

 

また、家庭の事情で、転居を伴う人事異動に対応できない社員もいます。こうした社員に人事異動を強いると、退職せざるをえなくなります。

 

だからといって、その社員だけ特例的に人事異動を免除すると、他の正社員との不公平になりますし、人事異動の免除が既得権化してしまう恐れもあります。実際にそのような既得権が、会社のジョブローテーションの障害になっている中小企業も多く見られます。

 

人事異動ができないのであれば、「エリア社員」を選択してもらった方が、本人も会社もスッキリするのではないでしょうか?(この場合はもちろん、給与体系も変更になります。)

 

2  正社員登用の受け皿になる

優秀な契約社員・パートタイムを正社員として登用したいという会社が増えています。キャリアアップ助成金制度で政府も支援しており、中小企業にもだいぶ浸透しています。

(キャリアアップ助成金についてはこちら

 

 

ただし、ここで問題となるのは、契約社員・パートタイムから総合職タイプの正社員に一気に登用するのが難しいという点です。

 

社員側も、急に責任が大きくなったり、人事異動の対象になったりということの尻込みしてしまいますし、会社にとっても他の正社員と全く同じく処遇するのは難しいでしょう。

 

そこで、「エリア社員」「一般職」などの区分を用意して、これまでの実務経験を活かしながら、その延長で正社員になってもらい、徐々にステップアップしてもらう制度があると、正社員登用がたいへんスムーズです。

 

なお、キャリアアップ助成金でも「多様な正社員コース」というものが用意されており、必ずしも総合職でなくても、エリア社員や一般職への登用でも助成金が支給されますのでご安心ください。

 

そして、もう一つのメリットとして、改正労働契約法の無期転換ルールへの対応という点があるのですが、こちらについては、法律の内容と合わせて次回にご説明させていただきたいと思います。

 

弊社では、限定正社員の導入方法・助成金申請のご支援など人事制度の見直しを強力にバックアップさせていただいております。

 

問題意識はあるけれども、何から手を付けてよいか分からないという場合でも、まずはお気軽にお申し付けください。初回は無料相談が可能ですし、ご相談いただくことで、問題点が整理できたと好評をいただいております。

ぜひお気軽にご相談ください。

 

社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズ HPはこちら

 


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