GERBERA PARTNERSブログ

労務管理|労働時間の基本 ~月平均所定労働時間とは?~

2015/02/03

Q 労働基準監督署の調査がありました。監督官から「一年間における月平均の所定労働時間数はどうなっていますか?」と質問がありました。これはどういう意味なのでしょうか?

  給料計算   A これは、残業代の計算根拠についての質問だと考えられます。月給制では、残業代の基礎単価を出すために、一時間あたりの賃金額を計算します。 (労働基準法施行規則19条4項)  

解説(公開日:2015/02/03 最終更新日:2018/05/14)

月給制の残業代の基礎単価を出すための、一時間あたり賃金額の計算式は以下のとおりです。 「月の所定賃金額(※)」÷「一年間における月平均所定労働時間数」 (※)労働と直接的な関係が薄く、個人的事情で支給される賃金は除外できます。(家族手当、通勤手当、住宅手当など)   この計算は、給与計算ソフトが自動計算してくれることが多いので、人事担当者が把握していないケースがあります。そのため、間違った方法に気付かず、労働基準監督署から突然指摘される場合があります。   前提として、月ごとの所定労働時間を把握しておくことが重要です。これは、労基法で一律に決まっているものではなく、会社ごとに就業規則で決めるものです。何となく週休2日ということではなく、各月の所定労働時間は把握しておきましょう。  

(1)完全週休2日制の場合(一日8時間労働、土日祝休みの例)

日曜日が52日、土曜日が52日、国民の祝日が15日とすれば、年末年始休み、夏休みなどを加えて、年間120日~130日の休みになります。この場合の月平均所定労働時間は、「年間の出勤日×8時間÷12ヶ月」になります。各月の出勤日を把握して、あらかじめ時間数を計算しておきましょう。   なお「完全週休2日制」と言えば、毎週2日の休みがあることですが、単に「週休2日制」という場合は、何度か週2日の休みがあればよいと考えられております。  

(2)勤務カレンダー方式

就業規則で「会社の休日は、年間●日とし、毎年定める年間勤務カレンダーのとおりとする」のように規定する方法です。土曜日は隔週で休みにするような場合があります。曖昧な運用にならないように、勤務カレンダーは毎年更新して周知することが必要です。   なお求人票などで、年間休日数「105日」という数字をよく見かけることがあると思いますが、その考え方は次のとおりです。   1年間を52週と考えれば、年間の労働時間は 「52週×40時間=2080時間」です。   これを1日8時間労働で割ると、260日(休日105日)になります。8時間労働を維持するためには、最低限必要になる休日数が105日ということになります。  

(3)一年単位の変型労働時間制の場合

定められた期間を平均し一週間当たりの労働時間が40時間を超えない範囲内」という規定があります。   そのため、年間の労働時間の総枠の計算式は 「40時間×365日/7日=2085時間」です。   これを12ヶ月で割ると、月平均所定労働時間は173時間です。この枠内で、シフト表などで勤務時間を割り振ることになります。(なお、労働日数の上限は280日になっています)  

(4)一ヶ月単位の変型労働時間制、フレックスタイム制の場合

同様に「定められた期間を平均し一週間当たりの労働時間が40時間を超えない範囲内」で計算します。   30日の月の場合は「40時間×30日/7日=171時間 8時間×21日勤務というパターンが一般的です   31日の月の場合は「40時間×31日/7日=177時間 8時間×22日勤務というパターンが一般的です。   そして、各月を合算すると(3)と同様の計算になりますので、一年間の月平均所定労働時間は173時間となります。   なお、この「月平均所定労働時間」ですが、最大の173時間で設定するほうが、残業代の単価は低くなります。そのためには、勤務カレンダーで休日を調整するか、変型労働時間制を導入することになります。   休日をきちんと管理できないのに、計算だけ173時間にしていると、残業代のトラブルにもつながりますので、導入の際は運用面も含めてご検討ください。また、就業規則の不利益変更になる場合は原則として、社員の同意が必要となりますので、その対策も必要です。   労働時間・休日については、自社の実態に合わせて運用方法を細かく検討していかなくてはなりません。弊社では、このような実務上の観点から、就業規則の見直しのご提案も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。    

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