GERBERA PARTNERSブログ

労務管理|障害者雇用対策2~書類作成・行政調査への適切な対応について~

2015/10/06

Q 当社は障害者雇用の法定雇用率が達成できていません。毎年の報告書や納付金の納付書など提出書類が多く、また行政調査など対応すべき部分が多く困っています。分かりやすく説明をしてもらえませんか?

 

A 障害者雇用安定法により、企業への障害者雇用率2%の達成が義務づけられています。それを担保するために、法定雇用率未達成の企業にはペナルティとして障害者雇用納付金の義務が課されます。

 

 書類の複雑化や行政調査の強化が進められ、行政・企業ともに膨大なコストを負担する制度になっており、障害者の福祉という理念より、納付金を徴収する制度という側面が強化されていると感じざるを得ない点もありますが、現実として企業は対応しなくてはなりません。

 

 今回は、実務上の観点から、毎年の報告書や納付金の計算申告書の作成、さらには行政調査への対応についてご説明したいと思います。

 

◆障害者雇用状況報告書について

常用労働者が50人以上の会社は、毎年6月1日現在の障害者の雇用状況について、7月15日までに障害者雇用状況報告書を提出しなければなりません。本社を管轄するハローワークに提出します。

 

◆障害者雇用納付金申告書について

前年の4月1日~当年の3月31日が対象期間となっております。申告期限は5月15日までとなっていますので、期限に遅れないようにご注意ください。

なお、この申告書は法定雇用率を達成している会社であっても提出が必要であり、常用労働者が100人超の会社は全て申告の義務がありますので、ご注意ください。

申告のポイントは「常用労働者の数」「障害者の数」を正しく把握することです。特に、小売業・外食業のように従業員数が多く、パートタイム・アルバイト社員が混在している業態では、正確に把握することが難しくなります。

 

◆申告書の「常用労働者」の人数計算方法について

(1)週所定労働時間30時間以上(正社員やフルタイムの契約社員など)は「1人」として計算

(2)週所定労働時間20時間以上30時間未満(雇用保険に加入しているパートタイム社員など)は「0.5人」として計算

(3)週所定労働時間20時間未満(短時間アルバイトなど)は「0人」として計算

 

◆人数計算の注意点(行政から指摘されやすい点)

・上記の区分は、原則として労働条件通知書に記載された労働契約の内容で確認されます。

・単純にアルバイトという名称で除外することは許されません。アルバイトも含めて所定労働時間によって、適正に計算してください。

・関連外会社等への出向がある場合は、直接賃金を払っている会社の従業員として計算します。

・労働条件の内容が不明確であったり、労働契約と実態の労働時間にズレが多い場合は、実態の労働時間で判断される場合があります。この場合、対象期間(1年間)の半分(6カ月)超の状況がどのようになっているかにより判断されることになります。

 

1年の半分超の状況が、月間労働時間120時間超である場合

→(1)として取り扱われます

1年の半分超の状況が、月間労働時間80時間超である場合

→(2)として取り扱われます

1年の半分超の状況が、月間労働時間80時間未満である場合

→(3)として取り扱われます 

 

ただしこのような個別チェックは、膨大な手間がかかります。労働契約と実労働時間がズレている状況は、障害者雇用納付金の問題だけではなく、社会保険の未加入などの労務リスクにも波及しますので早急に是正してください。

 

◆障害者の人数計算

障害者の人数計算も、常用労働者と同様ですが、納付金額への影響が大きいことから、より厳しくチェックされます。労働契約の所定労働時間に変動がなく、ほとんどズレがない場合は労働契約の内容でかまいませんか、基本的には、実際の労働時間をもとに計算することになります。なお、障害者が年次有給休暇、特別休暇、就業規則に基づく傷病休暇などの正当な理由で欠勤している時間については、「みなし労働時間」として計算に入れてよいことになっています。

※休暇によって短時間労働者になってしまい、0.5人とカウントされることで会社に不利益にならないような配慮です。

 

◆障害者に関する添付書類について

・身体障害者手帳

・精神障害者保健福祉手帳(有効期限は原則2年間ですので注意!)

・知的障害者に関する確認書類療育手帳等

会社はこれらの証明書の写しを保管する義務がありますので、障害者の皆さんにご説明の上、協力を求めましょう。また、障害者に関する所得が確認できる書類が求められる場合があります。行政より指示があった場合は、具体的な内容をご確認ください。

 

◆障害者雇用納付金の行政調査について

障害者雇用納付金の消滅時効は2年ですが、これまで、未納や不適切計算が多かったため、現在では3年に1回は行政調査が入るようになっているようです。

常用労働者数を少なく計算し、障害者数を多く計算することにより、結果として納付金を少なく計算する例が多かったため、人数の計算については、かなり細かくチェックされるようになります。

調査で疑義が指摘されると、遡って、全社員の労働条件通知書やタイムカードがチェックされ、修正申告を求められる場合があり、膨大な時間と費用が発生します。

人数計算は概算ではなく、ルールに則って適正に行う必要があります。いい加減に行うと、修正申告で二度手間になりますので、不明な点は放置せず、かならず行政の担当者に確認するようにしてください。

 

◆行政調査で求められる資料

社会保険の調査などと同様に、調査官が会社に訪問し、多くの資料の提示が求められます。

・会社概要・会社組織図・就業規則

・全労働者に係る労働者名簿、賃金台帳、雇用契約書・

・全労働者の勤務(就労)状況が確認できる出勤簿、タイムカード

・障害者に関する証明書等

労働基準監督署の臨検、年金事務所の調査とならんで、障害者雇用納付金の調査への対応も労務管理の重要な仕事になっております。近年では、未払残業や社会保険未加入とともに簿外債務化しやすい労務リスクになっておりますので、正確な申告を心がけるようにしてください。

 

 弊社では、労働時間の管理や人事制度の構築と合わせ、障害者雇用制度などのコンプライアンス対策も承っております。手続上のアドバイスや行政調査への対応など総合的な対策も可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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