GERBERA PARTNERSブログ

労務管理|格差はなくなる?同一労働同一賃金への国の取りくみ

2016/03/08

Q 当社では、正社員の他に契約社員(期間契約社員)、派遣社員、パートタイマーといった非正規社員がおります。最近、同一労働同一賃金といった言葉を耳にしますが、実際にはどのような影響があるでしょうか?

 

A 先月19日に阿部首相が、正社員と非正規社員の賃金格差是正を目指して、「同一労働同一賃金」について、どのような事例が不当な賃金格差に該当するかを具体的に示すガイドラインをつくる意向を表明しました。賃金格差をなくす行政の取組と影響についてみていきたいと思います。

 

◆同一労働同一賃金とは?

 同じ職務に就く従業員には、同じ水準の賃金が支払われないといけないという政策です。賃金に格差ができる要因には、性別、雇用形態、人種、宗教、国籍などがありますが、今クローズアップされて議論されているのは「雇用形態による」格差の是正です。

 

◆対象になるのはどのような働き方をしている人?

 正社員と同じ仕事をしているのに、雇用形態が違うことだけを理由に、差別することを法律で禁止されているのは、現在ではパートタイム労働者のみです。どのような場合に、差別的取り扱いにあたるのかは次の通りです。

【パートタイム労働法で定める対象パートタイム労働者の判断基準】

次の項目が、正社員と比較して同じであれば対象

・仕事の内容や責任

・転勤や異動の範囲

 

 このパートタイム労働法が適用されるのは、所定労働時間が正社員に比べて少ないパートタイム労働者のみ。所定労働時間が同じで、時給で働く、いわゆるフルタイムパートや期間契約労働者および派遣労働者は対象ではありませんでした。今回法制化が検討されるのは、対象をパートタイム労働者以外の非正規社員に対象を広げたものです。

 

◆企業への影響

 派遣労働者、期間契約社員、フルタイムパートといった非正規社員に「同一労働同一賃金」が法制化されると企業にはどのような影響がでるのでしょうか?同じ仕事内容をしている従業員の賃金に差をつけることができないため、非正規社員の賃金引き上げの検討が考えられます。

 しかし、今回の法制化の元となる平成27年9月施行の「同一労働同一賃金推進法」に「業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度その他の事情に応じた均等な待遇及び均衡のとれた待遇の実現」と表現されていることから、仕事が同じというだけでなく、企業内での責任や転勤、移動の異動の有無や範囲などが判断基準に含まれることになりそうです。

 ガイドラインが発表になりましたらまたこちらのブログでお知らせします。

 

◆助成金など

 既に実施されている非正規従業員の処遇改善や教育制度の実施などに対して支給されるキャリアアップ助成金がありますが、新年度に向けて新たな助成金創設も予想されます。

~キャリアアップ助成金に関する他の記事~

 

 欧米などの先進国では既に整備されている同一労働同一賃金の取組みに、日本は遅れを取っています。仕事、職務に対して人を付ける欧米の賃金制度に対して、人を育成して高まった能力に対して賃金を決定する日本の賃金制度の違いから、同じ職務をしていれば賃金は同じ、という考え方が馴染まないことがその理由のひとつでもありました。

 

 最近ではダイバーシティが進み、短時間勤務正社員や限定正社員等、いままで以上に雇用形態は多様化して、企業が賃金制度を見直す時期に来ていると言えます。

 

 非正規社員の処遇の改善や整備、評価制度をつくることが、非正規社員の積極的な活用につながり、人材の定着や人材不足の解消になります。

 

 弊社では、非正規社員の能力評価制度や賃金制度について相談を賜っています。助成金活用のアドバイスも致しますのでどうぞお気軽にご相談ください。

 社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズ


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