GERBERA PARTNERSブログ

労務管理|5月30日全面施行 改正個人情報保護法 就業規則の変更は必要か?

2017/04/05

Q 個人情報保護法が改正され、中小企業も含めて対象になると聞きました。5月30日から全面施行とのことですが、具体的にどのような作業をしなければいけないのでしょうか?就業規則の変更なども気になっています。

 

A 前回は個人情報保護法について、その規制や改正点などをご説明させていただきました。

   

解説

 

5月30日全面施行 改正個人情報保護法 対応のポイント

 

今回は、その内容を踏まえ、社内で行う具体的な体制整備について、順を追ってご説明いたします。

 

1 自社の各部門での「個人情報」の棚卸し

 

まずは、自社で取り扱っている個人情報の棚卸しが必要です。その内容や状況に応じて、対策や準備すべき書面が変わってきます。できるだけ1回で済むように最大公約数的な対応を検討することがポイントです。

 
(1)取得経路は?

適正な取得であるか。

業者から購入した場合は、受領者側の記録作成が行われているか。

 
(2)取得の際に利用目的の明示はあるか?

HP、申込書等に必要な記載があるか。

 
(3)利用目的は実態に合っているか?

記載が実態に合っていない場合は、目的外利用が発生していないか注意します。

 
(4)要配慮個人情報はあるか?

機微情報、健康関連情報は同意なしの収集、同意なしの第三者提供が行われてはなりません。労務管理上の情報は特に要注意です。

 
(5)第三者提供を行っているか?
  • ・オプトアウト(「本人に通知」または「本人に容易に知りうる状態」)の整備が必要です。
  • ・個人情報保護委員会への届出が必要です。
  • ・提供者の記録作成、受領者の確認・記録の体制が必要です。
 
(6)グループ法人間の共同利用はあるか?

「本人に通知」または「本人に容易に知りうる状態」が行われているかの確認が必要です。

 
(7)外部委託はあるか?
  • ・「委託契約書」の内容が適正かの確認が必要です。
  • ・「委託先の監督に関する事項」を規程やマニュアルで定める必要があります。
 

2 整備が必要な規程、書式を検討します

 
(1)個人情報保護に関する基本方針

HP等に公開できるものを想定して漏れのないように作成します。

 
(2)個人情報保護規程

会社の基本規程となります。行政のガイドラインにそって網羅的に作成します。

 
(3)個人情報の取扱いに関するマニュアル・細則

組織的・人的・物理的・技術的安全管理措置のガイドラインに沿って、詳細の運用を定めます。その他必要に応じてマニュアルを追加する場合もあります。(PCの持出ルール、私有端末の使用ルールなど)

 
(4)利用目的の通知・明示の文章案の作成

契約書、申込書、HPの入力フォームに記載する文言を確認します。修正が必要であれば、その内容を検討します。

 
(5)従業員の監督

就業規則の改定や誓約書の準備をします。

 
(6)業務委託契約書

書式の整備と合わせて、業務委託基準(社内規程やマニュアルで定める)の整備も進めます。

 
(7)第三者提供時のオプトアウト手続

・HP公開を前提に必要事項の漏れがないように検討します。

・個人情報保護委員会の届出

・提供者側の記録作成

・受領者側の記録作成

 
(8)従業員教育の資料

万が一の事故があった際に、全く従業員教育が行われていないとなれば、会社の責任が問われかねません。多少コストをかけても、情報管理については、研修体制が必要です。

 

3 就業規則の変更について

 

従業者の監督(第21条)の観点から、労務管理の見直しも必要です。必要に応じて、就業規則の改定や追加も検討してください。

  【就業規則の検討例】
(1)情報管理に関する誓約書の提出に関する定め
 
(2)業務の性質により、担当者に個別に誓約書の提出を求める場合がある旨の定め
 
(3)要配慮個人情報への対応
  • ・住民票への本籍不記載、機微情報を原則収集しない旨の規定
  • ・雇用関連の従業員情報の取り扱い
  • ・応募者の履歴書の処分、返送のルール
  • ・健康診断結果、ストレスチェック結果、医師の診断書の取扱い
(原則として本人同意)  
(4)マイナンバールールとの整合性、条文整理

【例】従業員は、個人情報(特定個人情報を含む。)の管理に十分注意を払うとともに、自らの業務に関係のない特定個人情報を不当に取得してはならならず、これに違反したときは、懲戒処分の対象となる場合がある。

 
(5)懲戒ルールの明確化

【例】個人情報(特定個人情報を含む。)を、故意又は重大な過失により漏えいし、又は漏えいしようとしたときは、懲戒解雇処分とする。過失による場合は、減給処分又は譴責処分とする。

 

※就業規則に根拠規定がなければ、懲戒処分はできません。

 

以上は一例に過ぎませんが、概ねこのような準備が必要となります。

 

社内各部署の協力が必要になりますので、プロジェクトチームを組成し、全社一丸となって進めていただきたいと思います。

 

弊社では、実務的な観点から、人事労務を含め、社内規程の整備をご支援させていただいております。規程や管理体制の整備でお悩みの場合は、お気軽に下記問い合わせフォームよりお申し付けください。

 

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