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海外駐在員の給料|購買力補償方式のメリットとデメリットを教えてもらえませんか?

2014/07/26

Q 海外駐在員の給与について、「購買力補償方式」というのがよく使われると聞いています。こちらの方式はどのような算定方法なのでしょうか?また、この方式のメリット、デメリットも教えていただけますか?

 

A 購買力補償方式とは、海外赴任直前に日本で受けていた給与総額のうち、生計費を割り出し、その生計費が海外に赴任した後どのように変化するかを、一定の指数を乗じて算出して、現地での給料を決定する方式をいいます。そして、このようにして算出された海外生計費に、別途海外での手当を加算していくことになります。

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  この方式を採用すると、海外勤務先の生計費が日本(東京)と比べてどうなっているかを把握しなければなりません。そのため、日本国内での給与総額に含まれている生計費割合や、その生計費に乗ずる「都市別の生計費指数」を外部のコンサルティング会社から毎年購入することになります。

  

 外部のコンサルティング会社の生計費指数を使用することのメリットは、社内の人事担当者にとっては、海外勤務地の生計費データを収集する労力がかからないだけでなく、「他社も使っている」という客観的指標を基に決定されるため、海外赴任者に対する説得力が増すという点が挙げられます。

 

 これらの理由により、海外赴任者や海外赴任先が多い大企業にとっては、地域格差を簡単に是正できる方法の一つとして、購買力補償方式が使われています。

 

 購買力補償方式のデメリットとしては、まず、海外生計費の算出過程で給与総額に占める生計費割合を使用する必要がありますが、この生計費割合は年収と世帯人数によって割り出すのですが、たとえば扶養している子が3歳児なのか高校生なのかによって実際の生計費は大きく異なるはずなのに、提供されている生計費割合が1種類しかないため、不公平感を感じることになります。

 

 また、「生計費」は「物価」と違い、「日本人が日本並みの生活ができるためのコスト」をいうため、輸入品に頼らざるを得ない地域になればなるほど、生計費は高くなります。アジア諸国では多くを輸入品に頼ることになるため生計費指数は高くなりがちですが、実際は地場のスーパーで現地の人たちと同様の食品・日用品を購入することができ、現地物価に近いコストで済ませられることも多く、この方式が「駐在御殿が建つ」所以となっています。

 

 たとえば2013年の上海の生計費指数は、東京100に対して130以上であり、現実とはややかけ離れている感が否めません。つまり、生計費と物価との関係性について説得力がなく、最近は購買力補償方式は先進国以外では通用しないとまで言われています。

 

 その他のデメリットとしては、生活費指数のデータを外部のコンサルタント会社から高い費用で購入しなければならないことや単身者には採用しにくいなど設計の自由度が乏しいといった側面があり、使い勝手が悪いため、徐々にこの方式を採用する企業の比率が下がってきているというのが実情と言えます。

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