GERBERA PARTNERSブログ

香港|香港の法人税率が8.25%へ!このタックス・メリットを活かす方法とは?

2017/11/29

Q、香港の法人税率が一定の所得金額までは8.25%に軽減されると聞きました。日本から香港に進出する中小企業は、国税庁のタックスヘイブン対策税制により、この軽減税率はあまり意味がないと聞きましたが、本当なのでしょうか?

 

A、確かにタックスヘイブン対策税制の対象になる企業には、この香港における軽減税率は意味がないように見えますが、次のような方法を採用できる中小企業は、実はタックスメリットを享受できるのではと考えております。

 


 

解説(公開日:2017/11/29 最終更新日:2017/12/14)

2017年10月11日、香港のキャリー・ラム行政長官は、香港の中小企業への支援対策の一環として、所得金額200万香港ドル(*)を上限として、香港の法人税率を現行の16.5%から8.25%に半減させる方針を示しました。

*200万香港ドル=3000万円(2017年11月現在、1香港ドル=15円)

 

香港の法人税率は、基本は16.5%のままですが、軽減税率が適用されると8.25%と、半分の税率が適用されることになります。

 

この香港政府の政策に対して、日本の企業経営者の皆様は「ああ、香港がまた税率が下がった。うらやましいことだ・・・。」と、指をくわえて見ているだけでいいのでしょうか?

 

ちょっと待ってください!!

諦めるには早すぎます。まずはこちらを読んでみてください。もしかしたら、貴社にも当てはまるかも知れません。

 

今後香港への進出を進めようとする中小企業にとって、この香港のニュースは非常に朗報かも知れません。その理由を、本稿で解説してまいります。

 

その前に、タックスヘイブン対策税制についてご理解をいただく必要があります。タックスヘイブン対策税制についての詳しい説明は、 【 香港、シンガポールにおけるタックスヘイブン対策税制を理解しよう! 】のほうをご覧いただきたいのですが、簡単に申し上げるとタックスヘイブン対策税制とは、以下のような日本国の税制のことをいいます。

 

日本の法人税率は、世界でも有数の高税率を誇ります。税率が高いのを自慢している場合ではないのですが、このように税率の高い国の法人が本来計上すべきであった利益を、香港のような低課税国に設立した子会社等に付け替えることにより、親子グループ全体で課される税金の総額を減らすことができ、すなわちグループ全体の現預金がグループ内に残ることになります。

 

たとえば日本の法人税率が30%(本当はもっと高いです)で、香港では8.25%の軽減税率が適用されるとした場合、同じ利益だとすれば、税率が少ない分だけ、香港法人のほうが課される税金は減り、現預金が法人の内部に残ることになります。

 

このようなことがまかり通れば、日本企業は我先に香港に法人を設立して利益を付け替えようと躍起になるかも知れません。こういう事態を避けるべく、これに待ったをかけたのが日本の国税庁による「タックスヘイブン対策税制」です。

 

日本の国税庁は、日本で納税されるはずの税金が、低課税国の低税率によって国外へ流出することを阻止するべく、「タックスヘイブン対策税制」を制定し、低課税国のペーパーカンパニーが利益を挙げたとしても、それは日本国にある親会社の利益に合算され、日本の国税が税金を徴収できる仕組みを設けました。

 

裏を返せば、上記のようなペーパーカンパニーが、ペーパーカンパニーでなくなると、その低課税国で生んだ利益を日本の親会社の利益に合算しなくてもよくなります。つまり、その低課税国で人材を雇用し、オフィスもしっかりと構えて、事業を営むことにより、上記のタックスヘイブン対策税制は適用されず、しっかりとその低課税率を享受することができるようになります。

 

タックスヘイブン対策税制には、他にも様々な規定がありますが、ここでは話を簡単にするため、上記のような仕組みのなかで、「ではなぜ香港で8.25%になると、日本の中小企業にとっていいことが起きるのか?」という話をしたいとおもいます。これは何かを読んだわけでもなく、私どもオリジナルの考え方ですので、もし異なる見解がありましたら、なんなりとご指摘をたまわりたいと存じます。

 

まず前提として、香港で3,000万円の粗利を生む香港子会社があるとします。もちろん、この3,000万円は、違法に香港にプールされたものであってはなりません。あくまでも正しい国際取引のなかで、3,000万円が真っ当に粗利として計上されているというのが前提です。

 

香港では社員を1人雇用するのに月給が15,000香港ドル(約23万円)ほど必要です。高度なスキルを有する社員だとさらに月給は上がります。ここでは交通費など付随費用も含めて、日本円にして30万円の月給がかかるとします。

 

また、月額10万円支払って香港で事務所を借り、机2個と応接セットを置き、実務ができる状態にして、実際に実務を開始します。そしてこのほかに、毎月30万円程度の経費が香港法人で発生するとします。

 

香港法人を、上記のような事業実体のある会社にすることで、タックスヘイブン対策税制にひっかからないことになります。(ただし、内容によってはひっかかりますのでご注意ください。)

 

この事業実体のある香港法人を1年間運営すると、税引前利益は2,160万円となり、香港の軽減税率8.25%が課されて178万円の法人税が課税されます。これにより、税引後の当期利益は1,982万円となります。

 

さて、ここからが香港軽減税率8.25%のタックス・マジックです。

 

もし、香港法人をペーパーカンパニーのままでやり過ごした場合の最終利益を計算してみたいと思います。前提として、この香港法人では人件費や家賃は発生しません。ただし、経費については月額20万円が発生するとし、年間240万円の費用が計上されることになります。

 

これで計算すると、税引前利益は2,760万円となりますが、実はこの香港法人は事業実体がないため、最終利益はタックスヘイブン対策税制にひっかかり、日本の税率が適用されることになります。このときの日本の法人税率を仮に30%とすると、法人税のトータルはなんと828万円にものぼります。そうすると、税引後の当期利益は1,932万円となります。

 

いかがでしょうか。上記の2つの事例を見比べてみてください。ここで、いよいよタックス・マジックです。なんと、人材を雇用し、事務所を置いた事業実体のある香港法人である前者のほうが、誰も雇わず、事務所も置かないペーパーカンパニーである後者よりも、キャッシュが残っていることに気が付くでしょう。

 

つまり、どうせ日本でタックスヘイブン対策税制により税金が課されるのであれば、香港に法人を設立し、人を雇い、事務所を設置したほうが、あら不思議、会社にお金が残ることになるのです!これを図表で表すと、以下のようになります。


 

香港に法人の設立をお考えの企業経営者は、ついつい16.5%という低税率に目を奪われて節税のことを考えますが、タックスヘイブン対策税制が邪魔をして、結局は香港進出が棚上げにされたりしてきました。この香港法人の税率が200万香港ドルの課税所得に達するまでは8.25%の軽減税率になることにより、大いなるチャンスが巡ってきたのです。

 

海外で成功したい日本企業は、売上や利益ばかりを追うのではなく、税金についてもしっかりと考えなければなりません。世界の国々のなかには、庶民が汗水流して稼いだ利益のなかから、30%の税金を取る国と、8.25%でいいよという国があります。このタックスメリットをどのように享受すべきかを、ガルベラ・パートナーズは常に考えております。もちろん合法であることが大前提であることは言うまでもありません。

 

これからの日本企業は、どんどん海外に出ていかなければならず、海外に出ていないことがリスクになるような時代です。少なくとも、この記事をご覧いただいている諸兄方は、海外とりわけ香港への進出をご検討の企業経営者や企業幹部の皆様ではないでしょうか?

 

私どもガルベラ・パートナーズグループは、日本国内では税理士法人・社会保険労務士法人・司法書士法人・行政書士法人が一堂に集まり、海外では香港を含めて5拠点に6現地法人を展開し、日本企業の海外進出を、調査やマッチングから、設立・税務・労務・法務のあらゆる面でサポートし、クライアント企業の海外での成功を後押ししています。

 

海外に進出を検討される際は、ぜひ当社へお声がけください。一味も二味も違う、合法的なタックスメリットが享受できるサポート体制をお約束します。

 

香港進出とタックスヘイブン対策税制について、毎月、東京と大阪でセミナーを開催しています。セミナー日程については、下記サイトをご覧ください。

 

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また、香港での法人設立や会計、税務、労務についての情報収集には、下記の弊社サイトをご活用ください。香港進出について、皆様からのお問い合わせを心待ちにしております。

本稿をご覧いただきましてありがとうございました。

 

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