GERBERA PARTNERSブログ

イスラム圏|【イスラム圏進出】2017年のラマダンについて企業がとるべき対策

2017/04/20

Q 当社は、本年度マレーシアに初めて生産拠点を持ちました。マレーシアのローカルスタッフを雇っていて、ムスリム(イスラム教徒)の従業員もいます。しかし、どのように対応していいか分かりません。ムスリムの習慣で知っておくべきこと・気を付けるべき点をご教示ください。

 

A 宗教に関わる商慣習について、日本人経営者にとって理解がなかなか進まないところだと思います。しかし、多くの現地日系企業は就業時間の変更をする必要があり、労務管理にダイレクトに関わってきます。今回は日系企業がラマダン期間に配慮すべきことをお伝えいたします。

 

【1 改めてラマダンとは】

 

ラマダン(ラマダーン)とは、イスラムの暦で「断食月」(注1)という意味です。日の出から日没まで一切の飲食をとりません。本年2017年はラマダンが5月27日から6月25日まで(注2)約1カ月間あります。後半の残り数日は、疲れと前日までのお祭り気分で従業員の寝不足や集中力の欠如が見受けられます。公共機関や大企業の従業員は、早く帰宅する人も増えてきます。

 

注1)「斎戒(さいかい)月」とも呼ばれます。

注2) 期間は、国によって前後する可能性があります。例えばドバイ(UAE)の場合、司法省が月観察委員会を立ち上げ、開始と終了の日を決定します。

 

【2 ラマダン中の勤務時間】

 

イスラム商業圏に進出している日系企業の多くは、7:30~16:30(1時間休憩)もしくは8:00~17:00(1時間休憩)という勤務開始が朝早い体制に変更する場合が多いです。特に中東アラブ地域になると6:00~12:00という6時間シフトをとります。それは、現地の労働法で決まっているためです。例えばUAEの場合、労働法65条で「通常の勤務時間を2時間短縮」する旨が明記されています。(Article 65 of UAE Labour Law During the month of Ramadan, normal working hours shall be reduced by 2 hours
このような場合、午前中は宗教問わず全従業員で業務にあたり、午後は非イスラム教徒従業員で対応という勤務体制になります。

 

【2 企業がとるべき対策】

 

企業の管理部がラマダン開始までにすべきこととして、期間中に業務が滞りなく進むためには、担当業務ごとのムスリム・非ムスリムの比率の確認、業務が夜まで続く業態の場合は、交代制の見直し・確認をする必要があります。

 

また断食をしているムスリム従業員に配慮し、非ムスリムの食事時間を遅くし、食べ物がムスリムの視界に入らないようにします。通常デスクで飲んでいる水分を、期間中は決められた場所で飲むようにします。また、通常喫煙しているムスリムは期間中禁煙することも多いです(斎戒)。その場合、非ムスリム従業員のために喫煙コーナーを用意する必要があります。

 

【1】で触れた公共機関の勤務時間短縮には、大使館業務も含まれます。中東への出張準備期間がラマダンに当たる場合はビザ取得が遅れる場合がありますので、ご注意ください。

 

【3 日本企業のラマダン・ビジネス】

準備することも多いので大変な印象があるラマダンですが、ビジネスにつなげた企業様もいらっしゃいます。インドネシアの大塚製薬の例です。看板商品のポカリスエットを脱水時の水分・栄養補給に効果があるとのメッセージを打ち出し、ラマダン期間の飲料として売り出すことに成功しました。

 

【4 まとめ】

宗教と無縁な日本のビジネスですが、海外ではキリスト教を始め宗教や思想が商慣習に密接に結びついていることもあります。日本の労働法はヨーロッパの影響を受けていますが、運用する日本人にとっては普段それを意識することはありません。日本人はアジア人として、ムスリムとビジネス上の良い関係が築ければいいですね。

 

 


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