GERBERA PARTNERSブログ

社会保険|内縁の配偶者を健康保険の扶養にすることができるか

2020/06/01

Q、従業員から、戸籍上の配偶者ではない者と生活しており、健康保険の被扶養者にしたいとの申し入れがありました。被扶養者とすることができるのでしょうか?

    A、健康保険法では内縁の配偶者も配偶者として取り扱うことが認められています。内縁関係にあることが確認できれば、内縁の配偶者を被扶養者とすることができます。 なお、内縁の配偶者の父母、子についても要件を満たせば被扶養者とすることができます。          

解説(公開日:2020/06/01)

 

1 制度上の要件

健康保険法(法第3条第7項)では「届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある」配偶者(以下、「内縁の配偶者」)についても、要件を満たせば被扶養者とすることができる旨が定められています。

内縁関係を確認することは難しいところですが、法律上の届出は行わないものの、婚姻と同程度の関係を継続する意思がある者同士が、共同して生活を営んでいることが求められます。

内縁関係が認められれば、戸籍上の配偶者と同様、以下の要件を満たすことで被扶養者となることができます。なお、内縁の配偶者だけではなく、当該配偶者の父母、子についても、同居しかつ、以下の要件を満たすことで、被扶養者とすることができます。

 

<被扶養者となるための要件>

  1. ・年間収入130万円未満(60歳以上または障害者の場合は180万円未満)
  2. ・自身の年間収入が被保険者の年収の2分の1未満
  3. ・(別居の場合は)被保険者から自身の年間収入以上の仕送りを定期的に受けている
  4. ・被保険者から継続して、主として生計を維持されている
 

2 内縁関係を証明する添付書類

(1)被保険者、被扶養者の戸籍謄(抄)本

お互いに戸籍上の配偶者がいないことを確認します。

原則として、戸籍上の配偶者が他にいる場合は内縁の配偶者を被扶養者にすることはできません。ただし、重婚的内縁関係であっても、法律上の婚姻関係のほうが形骸化され、内縁の配偶者との生活期間が長かったり、2人の間に子供がいたりする場合など、個別に認定される場合もあるようです。

 

(2)住民票

お互いの関係や生活実態を確認します。

同居であって、同一世帯として同じ住民票に記載があり、続柄が「夫(未届)」「妻(未届)」となっている場合は手続が進めやすいようです。

また、必ずしも同居である必要はありませんが、別居している場合はその理由や状況を説明できる追加の書類を求められる可能性が高いです。

 

※詳しくは管轄の窓口にご確認ください

 

3 その他の制度の取り扱い

(1)年金制度

内縁の配偶者は、健康保険の被扶養者となった場合は、国民年金の3号被保険者となることもできますので、3号被保険者の期間は年金保険料を負担することなく、保険料納付済期間にカウントされます。

また、被保険者が老齢年金や障害年金を受給する際に、一定の要件を満たすことで受給できる加算部分について、内縁の配偶者及びその子を対象の家族として算定することができます。

加えて、被保険者が死亡した場合は、内縁の配偶者が遺族年金を受給できることもあります。

 

※受給に関する決定は、実態に沿って判断されるため、個別の事案により異なる場合がありますのでご注意ください

 

(2)所得税

社会保険とは異なり、所得税の配偶者控除、配偶者特別控除は、内縁の配偶者については適用されません。

ただし、所得者が支払った、内縁の配偶者に係る生命保険料や医療費については、場合によっては控除対象となる可能性もあるようなので、該当する場合は税理士等の専門家にご相談ください。

 

(3)同性婚(同性パートナーシップ制度)

渋谷区、世田谷区の取組みをはじめとして、徐々に同性パートナーシップ制度が広がりを見せています。同性パートナーシップ制度による証明書が発行されると、公営住宅をはじめとした行政サービスや、民間の生命保険、住宅ローン、通信料の家族割引など、今まで対象とならなかったサービスが受けられる場合があります。

しかしながら現行では、健康保険上、内縁の配偶者として被扶養者となることや、年金制度上の3号被保険者や加算対象家族等となることはできません。

 

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