GERBERA PARTNERSブログ

印紙税|返金伝票綴りは印紙税の対象?!

2016/05/23

Q お客様返金伝票綴りが印紙税の対象とされた裁判がありましたが、判決内容について教えて下さい。

 

A (1)事案の概要

 日用雑貨などの販売業を営む原告企業が作成および保管していた「お客様返金伝票」と題する伝票綴りが印紙税の課税対象となる「判取帳」に該当するかがどうかが問題となった裁判で、原告企業が敗訴する判決が下されました(東京地裁平成27年12月18日)。

 

(前提)

 まずは前提となる印紙税法についてご説明します。「印紙税法別表第一 課税物件表 二十」には、「判取帳」については、一冊四千円の印紙税が課せられるとしています。「判取帳」とは、第十七号(金銭の受取書など)等に掲げる文書により証されるべき事項につき二以上の相手方から付込証明を受ける目的をもって作成する帳簿をいいます。

 原告企業が利用していた「お客様返金伝票」は、3枚1組複写式の伝票が100組綴られている冊子形態のものです。原告企業が返品等受付事務に使用した結果、3枚1組複写のうち2枚目(事務所控)および3枚目(商品貼付用)の伝票は事務所控えなどとするために切り離される一方で、1枚目の伝票(売場控)には伝票綴りから分離するための切取り線がなく、冊子形態の伝票綴りに綴られた状態で保管されていました。

 原告企業が保有していた270冊(3年間分)の伝票綴りに対し税務署は、印紙税が課税される「判取帳」に該当すると判断したうえで、印紙税が納付されていないことを理由に過怠税324万円の賦課決定処分を行いました。

 

(過怠税とは)

 印紙税の課税文書作成時までに印紙を貼付・消印の方法により納付しなかった場合に課税される税をいいます(印紙税法20条)。過怠税は、原則として当初納付すべき税額の3倍に相当する額が賦課されるが、税務調査を受ける前に自主的に不納付を申し出たときは1.1倍に軽減されます(印紙の貼付があるも消印がない場合は1.0倍)。なお、印紙税の税務調査は法人税などの調査と同時に実施されますが、不納付となっている課税文書が大量に存在するような場合は印紙税の単独調査に移行することもありますので注意が必要です。

 

(裁判所の判断)

 裁判所は、まず、ⅰ)伝票綴りの冊子の表紙には綴られた100枚の伝票の連続番号の範囲等が記載されていること、ⅱ)お客様返金伝票の1枚目(売場控)は切り離されずに保管・管理されていたこと等を踏まえ、お客様返金伝票(売場控)のみが残された伝票綴りは1冊の冊子として物理的な存在形態の一体性が認められることから、その伝票綴り全体をもって「一の文書」に該当すると判断しました。

 次に、伝票の文書自体の形式・内容のほか、使用方法および使用実態の諸点からみて、伝票綴りは複数の顧客から金銭の受領の事実につき付込証明を受ける目的で作成されたものであると認定したうえで、伝票綴りは「第17号に掲げる文書により証されるべき事項につき2以上の相手方から付込証明を受ける目的をもって作成」されたものであると判断しました。

 

 上記のような伝票綴りを使用している会社様は多いと思います。しかし、この伝票綴りが印紙税の課税文書であると認識している方は少ないのではないでしょうか。これらの伝票綴りが課税文書に該当するか否か今後の動きに注意が必要です。

 


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