GERBERA PARTNERSブログ

印紙税|電子媒体の契約書に印紙はいらない?

2016/10/20

Q 契約書や領収書に印紙を貼らないといけないことは知っています。先日、知人から電子媒体にすれば、印紙を貼らなくてもいいという話を聞きました。それは本当でしょうか?

 

A それは本当です。しかし、今のところは、という言葉を付け加えさせていただきたいと思います。

 そもそも、印紙税っていったい何?というご質問をよく受けます。法人税や所得税、消費税は経済活動により生じるものなので、理解はできるが、必要書類を作成しているだけなのに、それにいちいち税金を課税されることに違和感を覚える。こういう声をよく聞きます。

 

そこで一つ参議院の答弁書をご紹介したいと思います。

 

(第162回国会 参議院議員櫻井充君提出印紙税に関する質問に対する答弁書)

 

 この答弁書の中で頻繁に「経済取引に伴い作成される文書の背後には経済的利益があると推定される」「文書を作成することによって取引事実が明確化し法律関係が安定化する」という文言が謳われています。

 

 これは、書類さえつくっておけば、自分の都合よく体裁を整えるようなよろしくない行為をする者もいるので、印紙税を課すことで、経済取引の安定化を図ろうという国の考えのようです。法人税や所得税とは趣旨が異なりますが、経済取引の安定化のために一役かっている税金のようですね。

 

 ところで、電子媒体にすれば、印紙税を貼らなくてもいいのか?というご質問についてですが、その理由は同上の答弁書(五)にその理由が記載されています。

 

 「電磁的記録については、一般的にその改ざん及びその改ざんの痕跡の消去が文書に比べ容易なことが多いという特性を有しており、現時点においては、電磁的記録が一律に文書と同じ同等程度に法律関係の安定化に寄与し得る状況にあるとは考えられない。」

 

 電磁的記録は法的には有効的ではないということが記載されています。よって、商取引において何かあったときに法的に強い書類となるのは、やはり紙ベースの文書のようです。印紙税の側面からみると、電磁的記録が節税になってよろしいですが、他方の側面からその書類が正式なものとして認められない可能性をもっています。経営をしていくなかで、どちらに重きをおくかは、業態によってその判断がかわってくると思いますので、そこは経営判断にお任せするしかありません。

 

 しかし、最近の電磁的記録にはセキュリティや信頼性を持たせたものもあり、当時の状況よりも進化しています。従いまして、電子媒体のものでも、法的安定性を確保できる日が遠くはないと感じています。そうなった場合、電磁的記録であっても印紙税が課税されるかもしれません。

 

 同答弁書(十)に、「印紙税は長い歴史の中で我が国の経済取引の中で定着してきており、我が国の税体系及び税収面で基幹税目を補完する重要な役割を果たしている。」と述べています。

 

 さらに同(十一)で「いわゆる流通税の一つとして(中略)貴重な財源となっていることから、印紙税を廃止することは考えていない。」

 

 印紙税は国の税収面・法的安定性にも寄与していることから、この税目がなくなることはないでしょう。電磁的記録についても、その法的安定性が確保されるようになれば、印紙税を免れることはできないと考えます。

 

 今、言えることは、電磁的記録であれば、印紙税を節税することはできますが、その書類が法的に対抗できる書類になりえるかどうかの確証はないということです。

 

 


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