GERBERA PARTNERSブログ

社会保険|役立つ労務シリーズ 知っておくと便利な産休の話 その2

2014/12/30

Q 当社の社員が産休を取ることになりましたが、「産前産後休業」と「育児休業」の違いが分かりません。手続きや給付内容について、分かりやすく教えてください。

 

A 産前産後休業は、出産日以前42日間と後56日間に健康保険から標準報酬日額の2/3が支給される制度です。詳細については前回の記事をご覧ください。

 

 育児休業は、産後休業終了日の翌日から開始して、お子さんの1歳の誕生日の前々日まで、約1年弱の期間になります。期間中は、雇用保険から給付がありますので、その申請手続きについてご説明します。

 

(1)まずは全体の流れを確認してください

申請は会社が行いますので、総務の担当者は忘れずにスケジュール管理を行いましょう。

初回申請では、「受給資格の確認」「賃金月額の決定」「初回申請」を行いますので、書類が多いです。不明点や添付書類は、ハローワークの窓口で確認しながら丁寧に進めてください。

 

受給資格については、育児休業開始日前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12カ月以上あることが必要です(原則)

支給単位期間は、育児休業開始日から1カ月ごとの期間で区切られており、2カ月単位で申請を行っていきます。

 

 <スケジュール例として>

・出産日が 12/9

・産後休業(56日間)が 12/10~2/3

・育児休業が2/4から開始したとすれば、

・1回目の支給単位期間は 2/4~3/3(1カ月)

・2回目の支給単位期間は 3/4~4/3(1カ月)となります。

・お子さんの1歳の誕生日は12/9ですから、その前々日の12/7で育児休業は終了となります。

 

(2)健康保険・厚生年金の保険料免除について

育児休業期間中は保険料免除になります。産前産後休業とは別に、改めて「育児休業等取得者申出書」を日本年金機構に提出します。会社が行う手続きになります。「休業を開始した月」から「終了予定日の翌日の月の前月」までの保険料が免除になります。免除されても年金の減額などの不利益はありません。

 

(3)雇用保険の初回の申請について

書類の名前が分かりにくいのですが、整理します。

1、雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書

2、育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書

3、添付書類(賃金台帳、出勤簿、母子手帳などの証明になるもの)

 

手続の期限は、育児休業開始日から4カ月経過日の月末までとなっております。遅くなると給付金を受け取れなかったり、入金が遅れたりと、社員に迷惑がかかりますので、育児休業が始まったら速やかに行うようにしましょう。 

受給資格が確認されますと、「受給資格確認通知書」が交付されます。賃金日額や次回支給申請期間などが記載されていますので、その指示に従って、2回目以降の手続きを行ってください。いっしょに「(次回)育児休業給付金支給申請書」が交付されます。

2回目以降の申請は、会社または社員本人が行うことになっていますが、会社が行うことが多いと思います。これらの書類はその時に使用しますので、会社が原本を管理して、社員にコピーをお渡しするとスムーズです。(厳密には、会社が手続するためには、労使協定が必要となりますので、事前のしくみ作りをしておくことが福利厚生と管理体制のレベルアップになります)

 

(4)2回目以降の手続について

通知書に記載されている期間内に2回目の支給申請書を提出してください。その際も、賃金台帳や出勤簿が必要となりますので忘れずにお持ちください。(期間中に賃金を受けていないことを確認されるため)

なお、振り込まれる時期について、社員から聞かれることが多いのですが、おおむね支給決定から1週間程度で口座振込になるようです。申請のときに、窓口に確認してその旨を社員に伝えてあげれば、会社への信頼度も大きく向上するでしょう。

 

(5)育児休業給付の支給額

賃金日額(原則として産前産後休業開始前6カ月の賃金を180日で割った金額)×支給日数(原則30日)×50%です。また最初の6カ月は67%に増額されています。(2014年4月1日から法改正されました)

なお、この期間にパートタイム勤務などをして、賃金を受けた時は、給付が減額される場合もありますので、申請の際に確認するようにしましょう。

 

(6)育児期間の延長について

母親の育児休業に続く形で、父親が育児休業に入った場合など、1歳2カ月まで延長が認められる「パパ・ママ育休プラス」の特例があります。

また、保育所に入所できない場合、その他家庭の事情がある場合など、1歳6カ月まで延長が認められます。個々の条件がありますので、ハローワークの窓口に確認してください。

 

(7)育児休業明けに給与が下がった時は…

育児休業明けは、体調を考慮して時短勤務などを行い、給与が以前より低くなる場合があります。そうした場合に社会保険料の負担を減らす特例があります。

育児休業日の翌日から3か月間の報酬の平均額で、4カ月目の社会保険料が改定されます。(「育児休業等終了時報酬月額変更届」)

社会保険料の負担率は結構大きいです。地味な特例ではありますが、その月以降、減額のメリットが続きますので、手続きはお忘れないようにお願いします。(以上、2014年12月現在の情報です)

 

 弊社では、このような福利厚生の業務フロー作りのご提案も承っておりますので、お気軽にご相談ください。

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