GERBERA PARTNERSブログ

労務管理|労働時間の基本~残業トリプルチェックとフレックスタイム制その1~

2015/05/05

Q 当社では1ヶ月単位の変形労働時間制を採用しています。残業については1ヶ月の合計労働時間から所定労働時間を引き算して出していますが、労働基準監督官よりこの方法では不適切であるとの指摘を受けてしまいました。どうしてでしょうか?

 

A 変形労働時間制は、一定の範囲内であれば、1日8時間を超えても残業にならないので、シフト制の会社などで活用されていますが、残業時間の計算には注意が必要です。今回は、見落としやすい残業時間計算の注意点について確認してみたいと思います。

 

(1)残業時間計算の基本

労働基準法第32条

第1項 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。

第2項 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

 

 すでに皆さんご存じのとおり、大原則として、1日8時間を超えると残業になります。また、1日8時間以内であっても、その1週間(原則として日曜~土曜)で40時間を超えるとそれもまた残業になります。

 

 完全週休2日の会社だとそのようなことは起こりにくいのですが、隔週で土曜日の出勤があるような場合だと、1日8時間ずつ働くと週で40時間を超えてしまうことがありますので、所定時間の工夫が必要です。

 

 つまり残業の管理は「1日単位」と「1週間単位」の両方でチェックしなければ、計算漏れの可能性があるということです。

 

(2)残業時間のトリプルチェックとは?

今度は、シフト制勤務の会社などで、1ヶ月単位や1年単位の変形労働時間制が導入されている会社を考えてみましょう。

 

変形労働時間制の場合は、「変形期間単位」の合計時間だけではなく、「1日単位」「1週間単位」のチェックも必要です。これが通称「トリプルチェック」と呼ばれる作業になります。

 

<トリプルチェックの方法>

ⅰ)変形労働時間制では、その日ごとにシフト表や勤務カレンダー等で所定労働時間が割り振られますが、所定労働時間をオーバーして「なおかつ」8時間オーバーの場合には残業になります。逆に8時間オーバーでも、当日の所定労働時間が10時間になっていれば、10時間までは残業にならないというのが、変形労働時間制のメリットです。

 

ⅱ)1週間についても同様に、その週の所定労働時間をオーバーして「なおかつ」40時間オーバーの場合は残業になります。

 

ⅲ)変形期間(1ヶ月、1年)の総枠をオーバーした時間は残業になります。

(1ヶ月変形だと30日の月は171時間、31日の月は177時間、1年変形だと2,085時間)

 

なおⅰ)ⅱ)ⅲ)でダブっている時間は重複計算しないように注意が必要ですので、実務上はⅰ)⇒ⅱ)⇒ⅲ)の順番でチェックをします。

 

実務上、トリプルチェックはたいへん面倒な作業ですので、ⅰ)ⅱ)を飛ばして、ⅲ)だけで残業時間を計算している会社も多いのですが、労働基準監督官の調査では確実に指摘されるポイントです。

 

労務リスクを完全に回避するためには、この面倒なトリプルチェックを回避することが重要になってきます。1ヶ月変形や1年変形を採用すると回避できないのですが、フレックスタイム制を活用するとⅲ)だけのチェックで済むようになります。そこで、次回は改めて注目されているフレックスタイム制のご説明をしてみたいと思います。

 

 弊社では、実務上の観点から様々な人事労務管理制度のご提案を承っております。今回取り上げた変形労働時間制以外にも、さまざまな残業対策が存在しますが、制度を誤って採用していては元も子もありません。就業規則や諸規程の改正も含め総合的な対策も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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