GERBERA PARTNERSブログ

労働時間|裁量労働・みなし労働・管理監督者・固定残業~残業対策について2

2015/04/21

Q 当社では役職手当に残業代を込みする定額残業代を採用していますが、この方法が認められない場合があると聞き驚いています。今までこの方式でトラブルも無くやってきたのですが、問題となる点はありますか?

 

A 残業代対策として様々な方法があります。それぞれが違う法制度ですので、そのポイントについては前回の記事でご紹介させていただいております。下記をご参照ください。

 

裁量労働・みなし労働・管理監督者・固定残業~残業対策について1

 

 今回は最も採用率の高い、定額残業代についてご説明いたします。

 

(4)定額残業代(固定残業代、みなし残業代など様々な名称はありますが、混同を避けるために、ここでは定額残業代で統一します)

 

これは、あらかじめ一定時間分の残業代を支給する方法です。基本給に組み込む方法と業務手当・職位手当などの名称で手当として支給する方法があります。

 

露骨に定額残業代として見せたくないということで曖昧な運用をしている会社が多いのですが、規定や運用に隙があると、裁判で否認される事例が増えてきているので、専門家のチェックを推奨します。

 

ポイントは以下の点です。

1、「●時間分」の「残業代」が「何に」含まれているという点が明確に定められていること。

 

休日出勤手当や深夜手当も含めることはできますが、それぞれ明確にできないと、計算できないとの理由で否認されるリスクが増大します。

 

2、残業代単価が正しく計算されており、「●時間分」に見合う金額になっていること。

 

残業単価の計算が間違っていて、手当金額の設定に不足があると差額分は未払残業代になってしまいます。

 

3、定額残業代が過大だと、ベース給部分が低くなり、まれに最低賃金を割ってしまうことがありますので、注意が必要です。

 

4、「実際の残業時間が●時間を超えた場合は差額を支払う」ことが規定され、「実際に運用」されていること。

 

定額残業代を導入しても、差額が発生していないかのチェックは毎月行わなければいけません。規定だけあっても、運用が形骸化していると、否認されるリスクが増大します。

 

5、「●時間」には特に上限はありませんが、一般的には36協定の上限45時間を目安にすることが適当であること。それ以上の定額残業代を設定するためには、特別条項付き36協定が必要となり、労務リスクの管理が難しくなります。

 

(5)その他

近年では、管理監督者と定額残業代をミックスさせリスク回避を図る規定もあります。

 

たとえば以下のような規定です。

1、課長職は管理監督者と定め、時間外割増賃金および休日割増賃金は支給しない。

2、ただし例外的に管理監督者と認められない場合には、役職手当に40時間分の時間外割増賃金が含まれていることとする。

 

 二段構えになっていますので、一定のリスク回避の効果はあるようです。ただし自社の管理職の処遇を客観的に見ていただき、管理監督者と主張することに無理があるような場合は、身勝手な屁理屈と受け取られ、かえって悪印象を受けるようなことが無いように、冷静なご判断が必要かと思います。

 

 労働時間の問題はたいへん複雑で、単純に法律を当てはめればよいというものではありません。実務運用の観点も含めて、その会社ごとにオリジナルで制度設計をしていかなくてはなりません。

 

 弊社では、実務上の観点から様々な労働時間管理制度のご提案を承っております。就業規則や諸規程の改正も含め総合的な対策も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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