GERBERA PARTNERSブログ

タイ|タイの就業規則について

2018/04/24

Q、タイへの進出を検討していますが、タイの就業規則について教えてください。

  A、タイの就業規則規則には法定記載事項が8項目あります。その8項目を以下の解説においてそれぞれ説明させていただきますのでご確認ください。  

解説(公開日:  最終更新日:

タイの就業規則の法定記載事項は下記の8項目になります。  
     
  • ①労働日、通常の労働時間、休憩時間
  • ②休日および休日に関する規則
  • ③時間外労働、休日勤務に関する規則
  • ④賃金、時間外労働手当、休日時間外労働手当に関する規則、支払う期日および支払う場所
  • ⑤休暇に関する規則
  • ⑥規律および規律違反に関する罰則
  • ⑦苦情申し立て
  • ⑧解雇、解雇補償金、特別補償金
 

以前は、10人以上の常用従業員を雇用する使用者は上記の法定記載事項を含んだタイ語の就業規則を作成し、従業員に公示すると同時に、10人以上となった日から7日以内にその写しを労働当局へ提出しなければなりませんでした。しかし、最近の労働者保護法の改正によって、雇用主は就業規則を労働当局へ提出する義務が無くなりました。

 

【注意点】労働当局への提出義務がなくなっただけですので、従業員を10人以上雇用する会社は、引き続き、就業規則を作成して15日以内に事業所内の従業員の見やすい場所に掲示する必要があります。なお、就業規則を改定した場合も、7日以内に同様に掲示する必要があります。

   

就業規則の法定記載事項について、具体的に説明させていただきます。

  ①労働日、通常の労働時間、休憩時間について
  • ・労働時間は、1日8時間以内、週48時間以内で、休憩時間は1日最低1時間以上が必要です。労働日は通常、使用者が毎年のカレンダーに基づいて定めますので、就業規則にも記載が必要になります。
    ②休日及び休日に関する規則
  • ・(週休日)・(祝祭日)・(年次休暇)を定めます。週休日は最低週1日以上が必要になります。祝祭日の日は年間最低13日を祝祭日の休日とする必要があり、祝祭日は、毎年変わりますので確認が必要になります。
  • ・年次休暇は、1年以上勤務した場合に6日付与いたします。(以後毎年6日ずつ付与します。)1年に満たない場合は付与不要ですが、慣習的に2ヶ月ごとに1日を与える企業が多いです。
    ③時間外労働、休日勤務に関する規則
  • ・時間外労働を実施させる場合は、労働者の事前の承諾が必要になります。週36時間以上の時間外労働は禁止となります。これに違反した場合、使用者には6か月以下の懲役もしくは10万バーツ以下の罰金または併科と定められています。(労働者保護法144条)
  • ・週休日以外に、年間13日の祝祭日は休日とし、休日と重なる出勤の場合は代休を与えなければなりませんので、気をつけてください。
    ④賃金、時間外労働手当、休日時間外労働手当に関する規則、支払う期日および支払う場所
  • ・賃金は少なくとも月に1度は支給が必要で、時間外労働は時間当たり賃金の1.5~3倍を支払う義務があります。休日労働は、休日が有給の場合は時間当たり賃金の1倍以上、無給の場合は2倍以上を支払う義務があります。支払う場所についは、従業員が同意する銀行が一般的です。
    ⑤休暇に関する規則
  • ・休日の規則の際にもご説明しましたが、1年間の勤続者は年間6日以上の年次有給休暇の権利があり、詳細は労使合意により決定されます。
  • ・年次有給休暇以外にも、慶弔休暇・研修休暇・産休休暇・病気休暇・兵役休暇・不妊手術休暇・出家休暇などがございます。
  • ・病気休暇は年間最高30日まで有給。兵役休暇は60日まで有給。産休は休日を含め90日の休暇で、そのうち最低でも45日は有給になります。
  【注意点】年次有給休暇と病気休暇を合わせますと、年間36日の有給休暇となり、月に3~4日間有給休暇を取得する方も多いので気をつけてください。     ⑥規律および規律違反に関する罰則
  • ・労働者にとっては、解雇、減給など利害に直結する重要な問題であるため、特に慎重に作成する必要がございます。色々な場合を想定して細かく作成することをお勧めします。
    ⑦苦情申し立て
  • ・苦情を申立てたことを理由に労働者が懲戒されないなど、苦情申立て人および関係者の保護規定を設ける事が重要になります。
    ⑧解雇、解雇補償金、特別補償金
  • ・使用者の都合で解雇する場合は、解雇補償金を払えば不当解雇にはなりません。
  • ・120日以上1年未満勤務した労働者には、使用者は少なくとも最終給与の30日分、1年以上3年未満の勤務者には90日分を支払う義務がございます。ただし、自主退職、規則違反、3日以上の職場放棄などがあった場合、および180日以内の試用期間中の労働者を解雇する場合、退職金は支払う義務はありません。
  【注意点】タイの労働関連の法律は、日本よりも労働者保護の観点が大変強いので、⑥・⑦・⑧の項目は大変重要になりますので、細かく作成する必要性がございます。    

以上のように、タイの就業規則の法定記載事項についてご紹介させていただきました。

 

私どもガルベラ・パートナーズでは、タイの就業規則の作成サポートだけでなく、タイにおける法人設立・会計・税務・労務などのサポートを行っています。

 

タイ及びアセアン地域への進出に関して、詳しくは以下のサイトをご覧いただき、お気軽にご相談ください。

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