2015/06/19
Q 最近、私の知り合いでEC事業に参入した仲間がいます。EC事業を始めるにあたり、基本的な部分で結構ですので、注意点などを教えていただけますでしょうか。
A そうですね、昔はEC(通販、WEB販売)というと「本当に商品が届くのか」「実際手に取って見てみないと分からない」「金額が妥当か分からない」など消費者が持っている色々な不安要素がありましたが、最近ではEC事業に対する信頼度もUPし、事業拡大のおおきなツールとなってきています。
特に、小売業者の方で、日本の商品を日本国内だけでなく、海外でも販売したいという場合などは持ってこいです。いわゆる越境ECというものですが、昨年の消費税免税店制度の拡充もあり、外国人旅行者が日本の商品を安く購入できる環境が整ってきました。ECを利用して、日本にいながら、日本の商品を、外国で販売する、といったことが可能になる訳です。
このように、ECビジネスは国内、国外ともに今後、増々拡大傾向にあります。そこで、まずは基本的な部分として、ECビジネスを始めるにあたり、最低限クリアしておきたい事項を以下に記載しました。
◆直販と卸通販を検討する
自社で既に顧客リストがあり、配送業者もある場合は「直販」でもいいかもしれませんが、まだそのような販路が無い場合は、既にそのような販路を持っているカタログ通販会社、テレビ、ラジオ、WEB販売会社、など卸通販(委託型通販)を利用することも大切です。当然、委託会社へ支払う手数料は発生しますが、販路もない、運送方法も分からない、といった駆け出しの状態の場合は、利益率は直販より落ちますが、ここでしっかりとノウハウを貯めてから直販へ移行することをお勧めします。
◆事業計画書をしっかり作成する
意外と忘れがちなのが、事業計画書作成です。商品開発や、営業については自身があるが、数字となるとどうも苦手、という方も多いと思います。しかし、自分自身のビジネスですのでまずは自分で理解することが重要です。ざっくりで構いませんのでネットで探した簡単な事業計画書で結構ですので、将来図を描いてみて、数値計画も作成し、その上で税理士等の専門家へチェックしてもらうようにしましょう。
◆商品開発
世の中に無い、全く新しい商品を販売する、となると正直難しいと思います。上場企業のような、商品開発に巨額の開発費を投じることができれば、今までなかった新しい商品を作ることも可能でしょうが、中小企業ではそのようなことは非現実的です。
そこで、発想をかえて、今ある商品や、世の中に普通にある商品でもいいので、容量を変えてみる、価格を変えてみる、商品名を変えてみる、別商品とコラボしてみる、といった工夫で案外ヒット商品になったりするものです。
お客様がわざわざ通販で購入する理由をしっかり考え、商品の特徴を分かりやすく伝え、その商品にストーリーを付け加える、などの工夫が必要です。
◆協力会社
運送会社については、単純に安いところを選ぶのではなく、商品管理の質はどうか、宅配(いわゆる個人宅への配送)を得意としている業者か、再委託しているかどうか、またその場合再委託先の運送会社は信頼できるのか、管理体制がどうなっているのか、などじっくり検討する必要があります。
広告代理店については、新聞、ラジオ、フリーペーパーなどに掲載する場合にお世話になりますが、広告代理店も得意不得意がありますので、全国に強いのか、地方に強いのか、競合他社も利用しているのかどうか、どのような媒体に強いのか、など選定には色々検討する必要があります。
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