2024/08/30
A、両立支援等助成金(柔軟な働き方選択制度等支援コース)が令和6年度から創設されています。育児と仕事を両立しやすくするための柔軟な働き方の制度を設けた場合に助成されます。助成金の概要および申請するうえでのポイントを見てみましょう。
両立支援等助成金とは簡単に言うと、仕事と育児・介護等が両立できる“職場環境づくり”を行う中小企業を支援する制度です。法令を上回るような取組みに対して助成されることが多く、育児・介護それぞれで複数のコースに分かれています。
⑴ | 出生時両立支援コース | 男性労働者が育児休業を取得しやすい雇用環境整備・業務体制整備を行い、子の出生後8週以内に育休開始 |
⑵ | 育児休業等支援コース | 育児休業の円滑な取得・復帰支援の取組を行い、「育休復帰支援プラン」に基づき3か月以上の育休取得・復帰 |
⑶ | 育休中等業務代替支援コース | 育児休業や育児短時間勤務期間中の体制整備のため、業務を代替する周囲の労働者への手当支給、代替要員の新規雇用を実施 |
⑷ | 柔軟な働き方選択制度等支援コース | 育児期の柔軟な働き方に関する制度等を導入した上で、「育児に係る柔軟な働き方支援プラン」により制度利用者を支援 |
⑸ | 介護離職防止支援コース | 「介護支援プラン」に基づき円滑な介護休業の取得・復帰や介護のための柔軟な就労形態の制度利用を支援 |
⑹ | 不妊治療両立支援コース | 不妊治療のために利用可能な休暇制度・両立支援制度を利用しやすい環境整備に取り組み、労働者が制度を利用 |
今回は、令和6年度に新設された ⑷柔軟な働き方選択制度等支援コースを見ていきます。
育児を行う労働者の柔軟な働き方を選択できる制度(フレックスやテレワーク・時差出勤制度等)を導入し、制度を社内周知後に、柔軟な働き方を実践する労働者がいた場合に、助成金が支給されるコースです。
会社が柔軟な働き方を支援する助成金に合致する取組みとしては、以下のA~Eのいずれかを創設する必要があります。
柔軟な働き方選択制度等 ※異なる制度を同一期間に利用した場合、利用実績を合算することは不可 | 制度名称 | 導入すべき主な内容 | 利用実績の基準 | |
A 始業終業時刻の変更等 | フレックスタイム制 | 日々の始業・終業時刻や労働時間を労働者が決定 | 合計20日以上利用 | |
時差出勤制度 | 始業・終業時刻の1時間以上の繰り上げまたは繰り下げ | 合計20日以上利用 | ||
B 育児のためのテレワーク等 | 自宅等での勤務を可能とする 勤務日の半数以上利用可能 時間単位で利用可能 | 合計20日以上利用 | ||
C 短時間勤務制度 | 所定労働時間を1日1時間以上短縮6時間とする以外の短縮時間も利用可 | 合計20日以上利用 | ||
D 保育サービスの手配・費用補助制度 | 労働者の子に対する一時的な保育サービスを手配し、当該サービスの利用に係る費用の全部または一部を補助 | 負担額の5割以上かつ3万円以上または10万以上の補助 | ||
E 子の養育のための有給休暇 | 子の養育を容易にするための休暇制度 | 有給、年10日以上取得可能、時間単位取得可能な休暇制度 | 合計20時間以上取得 | |
法を上回る子の看護休暇制度 | 法定の子の看護休暇制度を上回るものとして、有給、年10日以上取得可能、時間単位取得可能な休暇制度 | 合計20時間以上取得 |
厚生労働省『令和6年度 両立支援等助成金の制度変更内容等をお知らせします』より引用
主な申請の流れは①から⑤までです。
① | 育児を行う労働者の柔軟な働き方を選択できる制度(上記の表中左A~Eから2つ以上)を導入する |
② | 「育児に係る柔軟な働き方支援プラン」(※)により、柔軟な働き方に関する制度の利用及び利用後のキャリア形成を円滑にすることを支援する方針を社内周知する (※)「育児に係る柔軟な働き方支援プラン」:育児を行う労働者が、柔軟な働き方に関する制度の利用や利用終了後のキャリア形成を円滑に行うことができるようにするため、事業主が労働者ごとに作成する計画 |
③ | 助成金の対象労働者(制度利用者)と面談を実施し、「面談シート」に記録する |
④ | 面談結果を踏まえ、制度利用者の「育児に係る柔軟な働き方支援プラン」を作成する |
⑤ | 開始から6か月間で柔軟な働き方を可能とする制度を、上記の表右枠の基準以上利用 |
制度をいくつ導入するかにより金額が異なり、以下の通りとなります。
要件 | 助成金額 |
柔軟な働き方選択制度等(上記の表中左A~E)を2つ導入、対象労働者が制度を利用 | 20万円 |
柔軟な働き方選択制度等を3つ以上導入し、対象労働者が制度を利用 | 25万円 |
※1年度あたり1事業主5人までが対象となります。
申請を検討したら、以下の注意点にも気をつけておきましょう。
情報公開による加算もあります。厚生労働省が運営する、仕事と家庭の両立支援についての取組を紹介するウェブサイトである「両立支援のひろば」の「一般事業主行動計画公表サイト」において⽀給申請⽇までに以下①〜③の情報を記載し公表していれば、対象となります。
※ 自社サイトでの公表など、それ以外の場で公表した場合は、加算の対象外です。
➢ 支給申請より前に当該サイトへの掲載申請を完了しているものの、掲載手続が完了していない場合も対象です。
➢ 原則として、支給申請日の属する事業年度の直前の事業年度の情報を公表していることが必要です。
来年には育児介護休業法の法改正も予定されているのにあわせて、両立支援等助成金で今年度から新設された、柔軟な働き方選択制度等支援コースをご紹介しました。助成金の申請もお考えの場合は、最新情報がわかるセミナーにご参加ください。
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