2024/12/25
A、モラールサーベイを実施することによって、従業員意識・関心内容を把握し、その傾向を掴むことで適切な対策検討・実施をすることができます。
モラールとは、組織として目的を達成しようとする士気、労働意欲のことです。
組織が成長し、競争力を維持するためには、従業員の意欲が欠かせません。
従業員一人ひとりが仕事に意義を見出し、必要に応じて職場に安心感を持つことができるような環境が生産性向上や安定的な経営に影響します。
どれほど素晴らしいビジネスモデルや戦略が存在しても、それを実行するのは従業員一人ひとりです。
従業員が職場に不満や課題を抱えている場合、それが解消されない限り、組織全体へのパフォーマンスに影響するでしょう。
しかし、日々の業務に追われるなかで、従業員の本音や職場環境の課題を正確に把握し、それに応じた施策を行うことは容易なことではありません。このような背景から、多くの組織がモラルサーベイを活用しています。モラルサーベイは、従業員の職場環境や業務に対する意識を測るための調査であり、組織全体の「健康診断」としての役割を果たします。
モラルサーベイでは、従業員がどのような課題を感じ、どこに満足しているのかを体系的に把握することが可能です。調査項目としては、仕事内容への満足度、業務負荷の適切さ、上司や同僚との人間関係、報酬や考課制度への納得感、キャリア形成の機会、職場環境全般への評価などが含まれます。この調査を通じて、組織は従業員の声を拾い上げ、どのような問題が生じているのか、どのような改善が必要かを具体的に把握することができます。
モラルサーベイを実施すると、組織ごとに特有の課題が浮かび上がる一方で、多くの組織で共通して見られる内容もあります。
例えば、「自分の仕事が正当に評価されていない」という声が多い場合、評価基準が曖昧であったり、評価プロセスが不透明であったりする可能性が高いです。
また、「キャリアアップの機会が限られている」と感じる従業員が多ければ、組織内でのキャリア形成やスキルアップの支援が不足していることが考えられます。
さらに、「上司や同僚とのコミュニケーションが不十分」との声が挙がれば、職場内での情報共有や対話の場が十分に設けられていないことが原因と考えられます。
これらの課題を放置すれば、従業員のモチベーションが低下するだけでなく、生産性の低下や離職率の増加、さらには職場全体の士気低下を招く恐れがあるでしょう。
最終的には、組織の競争力そのものが損なわれるリスクが高まります。 したがって、モラルサーベイで明らかになった課題に対して、適切な対策を講じることが不可欠です。
モラルサーベイで得られた結果に基づく具体的な対策として、いくつかの取り組みが考えられます。
例えば、上司と部下の1on1ミーティングを定期的に実施することは、コミュニケーション不足への対応として有効です。
このような対話の場を設けることで、従業員が日常的に感じている不安や課題を直接聞き取ることができ、迅速かつ適切に対応することが可能になります。
また、キャリア形成の支援策として、研修プログラムの充実やジョブローテーションの導入が挙げられます。
これにより、従業員は自分の成長を実感し、目標に向けて前向きに取り組む意欲を高めることができます。
加えて、職場環境の改善も重要な取り組みの一つです。
例えば、オフィスのレイアウト変更やリモートワーク環境の整備、業務量の適正化など、物理的な働きやすさを追求することが、従業員のストレス軽減やパフォーマンス向上に寄与します。
これらの取り組みは、いずれも一定の効果をもたらしますが、それぞれが個別に実施されるだけでは、組織全体の課題を包括的かつ継続的に解決することは難しい場合があります。このような状況のなか、例えば効果的な解決策として注目されるのは「人事考課制度」の導入、または改善があります。
人事考課制度は、従業員の努力や成果を公正に評価し、それに基づいて報酬やキャリア形成の支援を行う仕組みです。
この制度を適切に運用することで、まず従業員の不公平感を解消することが可能になります。「自分の仕事が正当に評価されている」と従業員が実感できれば、彼らのモチベーションは飛躍的に向上します。また、評価結果を活用してキャリアパスを設計することで、従業員が自身の成長方向を明確に理解し、目標達成に向けた意欲的な行動を取ることができます。このような取り組みは、従業員個々のスキルアップを支援するだけでなく、組織全体の競争力を高める基盤にもなります。
さらに、人事考課制度は、組織の透明性を向上させるための鍵となります。
考課基準やプロセスが明確化されることで、従業員は自分の努力がどのように評価されるのかを理解しやすくなります。その結果、従業員は安心して仕事に集中できるようになり、結果として組織全体のエンゲージメントが向上します。高いエンゲージメントを持つ従業員は、組織目標の達成に向けて積極的に貢献するようになり、生産性の向上に寄与します。
組織が目指す方向性を明らかにする一方で、モラルサーベイを通じ、従業員が抱える課題や不満を明らかにして、その結果をもとに考課制度を設計することにより、従業員の声を反映した仕組みを構築することができます。
一方で、導入した考課制度が従業員にどのような影響を与えているのかを、次回のモラルサーベイで確認し、さらなる改善につなげることも可能です。このようなサイクルを継続することで、組織の持続的な改善と成長を実現することができます。
従業員の声を尊重し、それを組織の改善に繋げる取り組みは、現代の組織が持続的に成功するための鍵です
この取り組みは、従業員の働きがいを向上させるだけでなく、組織全体の成長と安定を支える最重要課題となるでしょう。
組織の未来を支えるのは従業員の力です。彼らが満足して働ける環境を整えることで、組織全体がより強固で持続可能な成長を遂げられるでしょう。
ガルベラ・パートナーズグループでは、モラールサーベイの実施サポートやその実施レポート提供はもちろん、さまざまな会社さまのニーズや想いに応じたカスタマイズ型人事考課制度構築・運用支援を提供しております。
ご相談があれば是非お気軽にお問い合わせください。
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