人事考課制度有無によって、経営にどのような違いがあるのか | ガルベラ・パートナーズグループ

Ｑ、人事考課制度がないことに何か問題はありますか。

Ａ、考課基準が曖昧だと、求められる成果が不明確で組織の統一的な動きが期待できません。優秀な従業員の離職やモチベーション低下、生産性や業務品質の悪化につながる可能性があります。昇進・昇給が経営者の裁量に依存すると不満が高まり、士気が低下します。
経営者の評価基準と実際の評価が異なると、従業員の信頼も失われます。長期的には組織の成長を阻害するため、人事考課制度の早期整備が必要です。

 

解説（公開日：2025/02/25）

 

人事考課制度がない場合、中・長期的に考えると組織の成長に対する阻害のリスクになるでしょう。

考課基準が曖昧だと、求められる成果や対応がわからず、制度のあるものと比してまとまった動きが期待できません。優秀な従業員は「努力しても評価されない」と感じて離職してしまうことも考えられます。モチベーション低下、生産性低下や業務品質の悪化にも繋がりうることが挙げられます。

さらに、昇進や昇給の判断が経営者や上司の裁量一つに依存することで、従業員の不満が高まり、組織の士気が低下する可能性があります。

加えて、経営者が「売上だけでなく、チームとして協調性についても評価する」と言いながら、実際には協調的な対応、チームワークを重んじた対応を従業員に求めながら「売上のみを評価」しているような場合、従業員は経営者の発言を信用せず、動きもそれぞれになって組織への信頼感が薄れてしまいます。今は問題が表面化していなくても、長期的に見ると、人事考課制度がないことで組織の健全な成長が阻害されるため、早めの整備が必要といえるでしょう。

 

例えば、「頑張っても意味がない。」、「頑張ったところでやりたいことに挑戦させてくれない。」と感じた従業員は生産性の上がるような対応を期待できるでしょうか。

また、「何を頑張れば評価されるのかがわからない。」という状況が続く組織で、従業員はやる気を上げられるしょうか。

その結果、業務の質が落ち、納期遅れや品質トラブルが発生することは想定すべきものとして、決して軽視すべきではありません。

 

経営者の発言と考課内容が矛盾していれば、従業員の不信感は高まるでしょう。

「言っていることとやっていることが違う」と感じるとエンゲージメントが低下し、組織の成長停滞に影響を与えることは認識しておくべきことです。

 

人事考課制度が組織の成長を支える

考課基準が不明瞭だと、従業員は自分の努力が正しく認められているかがわかりません。

逆説的に言えば、そのことはやる気を失わせる方法にもなることを認識しておくことが必要でしょう。

また、評価に一貫性がないと、従業員の間に不公平感が生まれ、組織の一体感が損なわれることもあります。

経営者の発言と考課制度の内容一致も必要であり、組織の価値観自体が疑われるような対応は避けなければなりません。

 

このような問題を解決するために、公正で透明性のある人事考課制度の構築は有用でしょう。

経営理念や事業戦略に基づいた考課基準を策定し、定量・定性評価をバランスよく組み合わせることで、従業員が納得できる考課制度を実現できます。

また、考課者向けのトレーニングを実施し、フィードバック等の文化醸成も重要です。

評価が適正に報酬へと反映される仕組みを整えることも、従業員のモチベーション向上に繋げることができるでしょう。

 

考課基準があれば、恣意的な考課内容になりません。

なぜ、そのような考課になったのか、そもそも目的は何か、そのような内容が明確でない限り、コミュニケーションをとることはできません。

 

システムで考課業務の効率化を実現

人事考課制度を導入しても、その運用が煩雑では形骸化してしまうことは避けなければなりません。

そのため、考課プロセスをスムーズに進めるためには、システム活用が効果的です。

 

システム導入で、考課の依頼や入力、承認の流れをシステム化し、手作業によるミスや遅延を防ぐことができます。進捗をリアルタイムで可視化することで、誰がどこまで進めているのかを確認しやすくなり、スムーズな運用が可能となります。また、Excelや紙ベースの管理から脱却し、データを一元管理することで、情報の紛失や入力ミスを防ぐことができます。リモートワークや多拠点での業務に対応できるため、どこからでも公平な評価を行うことが可能になります。

 

このように、システムを活用することで、業務効率化を図りながら、公正な評価を実現し、組織全体の成長を促進することができることも検討内容に含めるといいでしょう。

 

考課制度とワークフローシステムで組織を強くする

人事考課制度構築とシステム導入を組み合わせることで、公正な考課基準確立と業務効率の向上ができます。

また、従業員の納得感を高めることは、モチベーション向上にも繋がり、組織全体のエンゲージメント向上にも繋がるでしょう。

 

ガルベラ・パートナーズグループでは、エンゲージメントサーベイの実施サポートやその実施レポート提供はもちろん、さまざまな会社さまのニーズや想いに応じたカスタマイズ型人事考課制度構築・運用支援を提供しております。

運用面では、内容変更などが必要に応じて発生しうるとして柔軟に対応しやすいエクセルファイル等を使用したい、しかしながら進捗管理もタイムリーに行いたいという声から、その柔軟な対応希望に沿ったワークフローシステムのご提供も予定します。

ご相談があれば是非お気軽にお問い合わせください。