GERBERA PARTNERSブログ

中国|中国情報:中国企業監査・経理財務について

2025/04/08

Q、中国日系企業のガバナンス強化のために実施する企業監査について教えてください。

   

A、前回は、企業監査の項目一覧を簡単にご紹介させていただきました。今回は、中国企業監査で重要となる経理財務に関しての監査内容をご案内させていただきます。

 

解説(公開日:2025/04/08)

 

中国企業監査・経理財務について

中国でビジネスを行う上で、経理や財務の管理体制をしっかり整えることは非常に重要です。これは、日常の業務をスムーズに進めるためだけでなく、税務当局や外部監査にきちんと対応するためにも欠かせないものです。

今回は、実際の中国現地法人で使われている監査チェックリストをもとに、中国で求められる経理財務の管理ポイントや、監査で見られる主な項目についてご紹介します。

 

1. 経理規程やマニュアルの整備

最初にチェックされるのが、経理関連の規程や業務マニュアルが整備されているかどうかです。

中国では、会計処理に関して「会計法」や「企業会計準則」などの法律が定められていますが、企業ごとの業務ルールもとても重要です。どんなときに、誰が、どのように処理を行うかを定めた規程やマニュアルがなければ、現場での対応がバラバラになってしまいます。

監査では、それらの文書があるかだけでなく、実際に現場で活用されているか、社員が内容を理解しているかも確認されます。

 

2. 記帳と証憑(しょうひょう)管理

経理業務の基本は、取引の記録と、それに関連する証拠書類の管理です。

中国では「発票(ファーピャオ)」と呼ばれる公式な領収書が重視されており、すべての仕訳には必ず証憑が必要です。そして、それが正しく処理されているかどうかを、責任者がチェックして承認するフローがあるかどうかも大切なポイントです。

監査では、仕訳と証憑がきちんと対応しているか、承認印やサインがあるかなどを細かく見られます。

 

3. 会計システムとアクセス権の管理

次に注目されるのは、会計ソフトやシステムへのアクセス管理です。

誰でも自由にシステムに入れる状態では、不正のリスクが高まってしまいます。そのため、「誰が・いつ・何を処理したか」をしっかり記録できるような仕組みが必要です。また、役割分担に応じてアクセス権限を制限し、不正やミスを防ぐことも求められます。

監査では、実際の操作ログやシステム管理者の設定なども確認されます。

 

4. 財務報告とチェック体制

月次や四半期、年次で作成される財務レポートも、監査では必ず確認されるポイントです。

「どのようにレポートを作成しているか」「誰がレビューして承認しているか」「修正や調整があった場合に記録が残っているか」といった点がチェックされます。単に数字をまとめるだけでなく、社内でのチェック体制や責任分担が明確であることが重要です。

 

5. スタッフの理解度と教育体制

中国の現地法人では、実際の経理業務を現地スタッフが担うケースが多くなっています。

そのため、社内規程や業務マニュアルを彼らがきちんと理解して、日々の業務に活かしているかどうかも重要なポイントです。監査では、実際に担当者へのインタビューなどを通じて、規程内容の理解度が確認されることもあります。

したがって、日常的に研修を行ったり、マニュアルを定期的に見直したりすることが求められます。

 

6. 指摘事項への対応と改善

もし監査で何か問題点が指摘された場合、それにどう対応するかも大切です。

たとえば、雇用契約書に守秘義務の記載が漏れていたとしたら、その内容をすぐに見直し、関係者と改めて契約を結び直すといった対応が必要になります。

また、単なる「対応」だけでなく、「同じことが起きないようにどう防ぐか」という再発防止の観点も含めて、改善の記録を残しておくことが望まれます。

 

最後に、中国での経理財務に関する監査は、単に帳簿の整合性を見るだけではありません。日常業務の中で、どれだけルールを守り、正しい手続きができているかを総合的に確認するものです。現地の法律や慣習にきちんと対応しながら、社内ルールの整備、スタッフ教育、業務の見える化を進めていくことで、監査に強い体制がつくれます。

今後さらに監査やコンプライアンスの重要性が高まることを見据え、企業としても継続的な改善を積み重ねていくことが求められています

 

今回は、中国現地法人の監査項目の一つの経理財務についてご案内させていただきました。中国法人設立および中国会計税務・監査に関してのご相談はhttp://business.chinafocus.jp/まで、お問合せください。

 

ご案内

ガルベラ・パートナーズでは、中国進出から会計税務・労務・中国での生活サポートなどをワンストップでサポートしています。具体的なサービスといたしましては、設立・会計以外に①法律関係(裁判、労務訴訟対応、会社内法律顧問)②物流関係(輸入、輸出際の税関規定)③工場アテンド(中国国内工場探し)④展示会関係(ブースの構築、人員配置など)⑤代理店探し(中国の販路拡大)⑥取引調査(財務データ調査、信用調査)を行っています。

是非、お問合せ下さい

 
中国企業における監査特集
 

中国での事業展開において、企業監査を通じてどのように内部統制を機能させ、
リスクを未然に防ぐかをご紹介しています。

中国企業監査項目 中国企業監査
経理財務について
Q、コロナによって、中国法人への日本の赴任者が減っている中で、中国日系企業のガバナンス強化について教えてください。 Q、中国日系企業のガバナンス強化のために実施する企業監査について教えてください。
中国企業監査
人事労務について
中国企業監査
経費旅費処理について
Q、中国現地で、経費や旅費の不正が起こらない体制構築に教えてください。 Q、中国現地で、架空取引先の登録や不正な発注を通じた横領リスクを未然に防ぐ体制構築について教えてください。
中国企業監査
仕入・購買プロセスについて
中国企業監査
販売管理について
Q、中国進出企業が直面する人事労務管理の監査の課題について教えてください。 Q、中国現地で、社内外での不適切な取引が起こりにくい、適正な販売管理を行うための対応方法について教えてください。
中国企業監査
固定資産管理について
中国企業監査
情報資産管理について
Q、中国現地での、固定資産を取得・減価償却・保管・売却・廃棄陶について教えてください。 Q、中国現地での、情報資産管理について教えてください。
 

  中国関連 Q&A BLOG はこちら 

 
中国ビジネスサポート
中国ビジネスサポート

各都市での法人設立、会計、税務、労務をサポート

 問い合わせはこちら 

 
 
   

 ガルベラ・パートナーズへのお問い合わせはコチラ 

 
海外赴任.com 国際労務.com 国際税務ドットコム
海外赴任.com 国際労務.com 国際税務ドットコム
グローバル人材採用支援.com 外国人雇用と就労ビザ 福岡の海外進出支援
グローバル人材採用支援.com 外国人雇用と就労ビザ ガルベラ福岡の海外進出支援
中国ビジネスサポート 香港進出サポート 台湾進出サポート
中国ビジネスサポート 香港進出サポート 台湾進出サポート
 
 

◆ガルベラのメールマガジンに登録しませんか◆

ガルベラ・パートナーズグループでは毎月1回、税務・労務・経営に関する法改正や役立つワンポイントアドバイスを掲載したメールマガジンを配信しております。 加えて、メルマガ会員のみガルベラ・パートナーズグループセミナーに参加可能!

10秒で登録が完了するメールマガジン 登録フォームはこちら