2016/03/25
Q 不動産投資を考えていますが、普通に購入するか不動産を信託するか考えていますが、どちらの方が有利なのでしょうか。また、不動産信託について教えてください。
A そもそも「信託」とは、委託者、受益者、受託者の3者が存在することです。不動産信託の場合、信託財産を委託者から受託者が一旦預かり、そこから上がってくる不動産収入を受益者が得るという構造です。分かりづらいかもしれませんが、一つ一つ理解すれば分かりやすい取引きです。
また、信託は、民事信託と商事信託の二種類に分かれますが、不動産信託のほとんどが民事信託です。民事信託とは営利を目的とせず、特定の相手と行う信託のことで、信託業法の適用を受けないことが特徴です。
一方、商事信託とは、営利を目的として不特定多数と反復して行う信託のことで、信託業法の適用を受けますので、信託の組成もより厳密に行わなくてはなりません。
今ある不動産を信託した場合には、不動産は委託者から受託者へ所有権移転登記をすることになります。そのため、財産自体は受託者のものになりますが、信託の目的に従って管理・処分される財産として、受託者個人の財産とは独立したものになります。そのため、受託者に相続が発生した場合でも、その財産は、相続財産とは切り離されますので、相続財産にはなりえません。信託が、相続対策といわれる所以はここにあります。
また、信託が設定されるとその不動産は、委託者・受託者のいずれの財産からも独立して存在しますので、万が一、委託者・受託者が破産したとしても、委託者・受託者の債権者は、強制執行することができません。このことから、信託は倒産隔離を目的として組成されるケースもあります。
受益者は、不動産から生じる賃料収入を得る権利と帳簿の閲覧、重要事項を決定する権利があります。そのため、受託者に対してこれらの主張をすることができます。
不動産信託のメリットは不動産を管理する手間が省けるという点です。通常、委託者と受益者は不動産オーナーになります。委託者は、不動産の信託会社に不動産を管理してもらいます。そのため、自らの一切の手間が省けます。
不動産信託を実行する場合には、信託してもらえる財産かどうか信託会社に判断してもらう必要があります。収益が上がる物件でないと信託してもらえません。また、信託会社への信託報酬も加味したうえで、信託したほうが良いか、それとも直接保有した方が良いか、判断しましょう。
受託者が行う不動産管理業務は下記の業務になります。
1.賃借人の募集
2.賃貸借契約の締結・賃料の受取り管理
3.賃借人が退去するときの処理
4.信託財産の維持、管理、修繕等の管理業務等
信託の最大のメリットは、自分亡き後の相続を指定すること、権利に期間制限を付すことも可能になるということです。そのため、例えば、自分の死後5年間は受益権を妻に、その後20年間は長男に、その後5年間は長男の息子にという形で受益者を定めることができます。
このように不動産信託を利用した相続対策は存在しますが、まだまだ浸透していないことが現状です。信託には、様々なメリットとデメリットが存在しますので、事前に綿密な検討が必要になります。
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