2014/07/18
Q 当社は1つの会社で、IT事業と不動産賃貸事業を経営しています。社員の就業形態も異なることから、会社を分けたいと思っています。どんな方法が考えられますか?
A 分社化の方法は、大きく分けて2つ考えられます。1つは、会社分割という方法、もう1つは事業譲渡という方法です。
会社分割は、もともとある会社の一部の事業を切り取って、新たに会社を設立するというもので、設立の形態は2種類あります。1つは100%子会社を設立する方法、もう1つは兄弟会社(株主構成が同じ)を設立する方法です。
いずれの方法を採用するかは、その後その事業とどう向き合っていくかによります。今回でいうと、IT事業を切り分けて新たに子会社を設立すれば、不動産賃貸業を営む親会社と、IT事業を営む子会社という形にすることができます。
一方、事業譲渡は別の会社に事業を売却することをいいます。そのため、分社化するにはまずは売却先の会社の存在が必要となります。よって、まずは新会社を通常の会社設立の方法で設立します。その後、2つの会社間で事業譲渡契約を結び、IT事業を切り出します。
注意したいのが、どちらの事業を切り出すかという点です。今回は、不動産賃貸業を営まれているとのことでしたので、不動産とひも付きの事業を切り出すと、不動産を移転しなければならず、不動産移転に係る登録免許税や不動産取得税が生じてしまうため、むしろIT事業を切り出すほうがいいかなと思いました。
総合的にいうと、事業譲渡よりも会社分割のほうが経済的で、かつ、手続きも楽です。これらの違いについても、また別の機会にご案内したいと考えております。