2016/10/26
Q フィリピンに進出を検討していますが、解雇でのトラブルが多いと聞きました。労務法制の特徴を教えてもらえませんか?
A 前回はフィリピンの労働法の中から、下記の基本事項を確認しました。(時間外割増賃金、休日、有給休暇、産前産後休暇、健康確保措置、法定賞与制度、賃金支払、最低賃金)
また、フィリピンの所得税や社会保険については、こちらの記事も参考にご覧ください。
今回は、特にトラブルになりやすい、退職・解雇について確認してみたいと思います。
(1) 定年退職について
法定退職年齢は60歳です(強制退職年齢65歳)
退職金については、法律上の定めがあり、60歳に達し5年以上勤務した従業員には、退職金を支給しなければなりません。
【就労年数×0.5カ月分の給与】が最低保証額になります。
(2) 解雇について
契約違反(従業員の規則違反による懲戒など)、事業の縮小などのやむを得ない理由を除き、一方的な解雇は極めて難しいと言われています。
会社都合解雇の場合は、解雇手当を支払う義務があります。
この金額についても、【就労年数×0.5~1カ月分の給与=解雇手当】の最低保障額が定められています。
米国式契約社会なので、懲戒事由を詳細に定めておかないと、合法的に解雇できません。フィリピン特有の事情として、以下の理由で、日系企業には対応が難しいケースが多いようです。
◆日本語対応可能な専弁護士が極めて少ないこと
◆英米法的な判例法重視という法体系の違い
労務トラブルについては、日系企業のほとんどが、現地の顧問弁護士に一任している状況です。また、社内の労務管理のキーポイントになる人事マネージャーは、「英語能力」「実務能力」「信頼感」のある現地の女性が多いとのことです。この人材を確保するのが、フィリピン進出成功のキーになるとも言われています。
弊グループでは、日系企業様の海外進出を支援させていただいており、海外駐在員の給与、所得税、社会保険、福利厚生等の労務管理のご支援をさせていただいております。ぜひお気軽にご相談ください。
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