2014/07/25
Q 最近、中小企業でも持ち株会社(ホールディング会社)を設立しているケースをよく見ます。持ち株会社のイメージとしては上場会社や、中堅規模の会社が、複数のグループ会社を統括するために行うものだと思っていましたが、中小企業で利用するメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
A 中小企業が持ち株会社(ホールディング会社)を設立する目的の1つとして、株価対策(相続税対策)が挙げられます。
上場会社の株価は市場(東証・大証・マザーズなどの各市場)の需要と供給のバランスで価格が決定します。しかし、非上場会社は市場で売買されている訳ではないので、株式の価値を算定する場合は一定の計算方法により算定します。(DCF、マルチプル、国税庁方式など)
一定の計算方法の中でも、特に中小企業の場合は「国税庁方式」と言われる方法で計算することになりますが、この計算方法を上手く利用することがポイントです。
細かい計算方法をご説明するとややこしくなるので、結論だけご説明します。社長個人が「直接」会社の株式を所有している場合と、社長と会社の間に「持ち株会社」を入れて「間接的」に会社の株式を所有する場合において、後者の「間接的」に所有するほうが株価の上昇を大幅にカットすることができる、というものです。
この手法は、国税庁が発表している計算方法に則り行うものですので、何らやましい方法ではなく正攻法です。ただし、どのような節税対策も同じことが言えるのですが、何か施策を打った際の目的が「節税目的だけ」となると、税務署から色々と文句を言われる可能性が出てくるので、持ち株会社を設立する理由や目的をじっくり考えて、税務署にも説明できるようにしておいたほうが安全です。