GERBERA PARTNERSブログ

ベトナム|ベトナム進出のポイント(労務VoL7) ベトナムでの成功はベトナム人の採用、労務、教育、育成がポイントです。今回はベトナム人の評価について!!

2017/11/24

Q、ベトナム人の定着と育成に、何かよい方法はありませんか?
ベトナムに進出している日系企業からのベトナム国の課題調査(サーベイ)で常に上位にあるのがベトナム人のレベル、マネジメント、教育、育成です。若い世代が特に多いベトナム、それは魅力的な側面もありますが、逆の見方をすると、マネジメント人材層が薄いということも言えます。日本企業が進出し、駐在する日本人が最初に困惑するのは、このベトナム人の採用と教育、育成、マネジメントについてです。

 

A、ベトナム人の特性を理解した評価制度、報酬規程を作成しましょう。

 

日本においても自社の就業規則、人事評価制度、報酬規程をしっかり理解している人は少ないと思います。ですが、ベトナムにおいては、これらをしっかり準備し、社員採用の面接で活用、説明をすることが必要です。

 

一般的に言えることですが、ベトナム人に会社への愛社精神や忠誠を求めることは意味がありません。ベトナム人のキーワードとしてよく言われる、”家族主義”すなわち、自分はいくらの給与、報酬をもらい、家族に貢献できるかを常に考えているので、家族でない会社組織に日本人が持っている特有のものを期待してはいけないのです。そういう意味でも、どの仕事でいくらの報酬、給与がもらえるのか?どう評価され、どうしたら、いくら報酬、給与があがるのか?がベトナム人の一番興味のあるポイントなのです。

 

 

解説(公開日:2017/11/24)

 

ベトナム人の特性を抑えず、日本本社の人事制度、評価制度、報酬規程を持ち込んでも制度の機能はおろか、ベトナム人のモチベーションは全くあがりません。結果として、採用をしても、すぐに退職をし、また採用をし、少し育ったらと思ったら、また離職をしてしまいます。このような人材負のサイクルが続いている日系企業は多く存在します。

 

その為にもまず日本流の細かな人事制度でなくベトナム人スタッフがみて、わかりやすい人事制度を作ることが必要です。

 

ベースを作り、社員数の増加や経営状況やベトナム人スタッフのパフォーマンスを見ながら、定期的に人事制度の改定を行っていくのもポイントです。

一度作った人事制度は万能ではありません。経営状況や経営戦略に基づき、採用する人材が変化するのと同様、人事制度にも改定を入れていくことが必要です。

 

特にベトナム人の特性としてのキーワード、家族主義を想定した人事制度はとても魅力的に映ります。

 

人事制度を大きく分けると、評価制度、目標管理制度、等級制度、賃金/報酬制度、退職金制度などがありますが、ベトナム労働法や商慣習に倣い、必ず押さえておく項目もありますので、そこは抜け漏れがないよう留意してください。

 

その代表例が退職金やテト(旧正月前)賞与(通称ダブルペイ)です。

 

退職金制度はベトナム労働法にもうたわれており制度として運用する必要がありますが、一方、テト(旧正月前)賞与は厳密にいえば、法律で制度化されているものではないため、支給の義務は雇用主、会社側にはありません。ただテト賞与がない会社には社員は定着しないと言われています。

 

このテト(旧正月前)賞与はベトナムの帰省文化にひもづく商慣習の一つですので、通常の賞与や業績の賞与とは別に支給している会社がほとんどです。

 

ベトナムで成功してる会社はこのようなベトナム国の商慣習を取り入れ、そしてベトナム人の特性を理解した人事制度作り、運用している会社です。

 

また駐在員の方や進出間もない企業の駐在員、赴任者の方は会社の立ち上げや本社への報告やレポートに注力、奔走するあまり、この人事制度を軽視したり、後回しにしたりする傾向があります。

 

ベトナム人が定着しなかったり、すぐにやめていってしまったりする会社の原因はここにあります。

 

ベトナム人の方が辞めていくときに本当に理由を言うことはありませんが、実はこのような人事制度そのものがなかったり、駐在員の好き嫌いで判断、評価されたりする点やあいまいな人事制度や評価、報酬制度に不満を持って退職しているのです。

 

ですが、日本から赴任をされた方で人事制度を作れる日本人(駐在員)はあまりみかけませんし、できないのが普通です。

 

日本本社の人事制度を参考にしながらも、ベトナム国での人事制度の準備は一番力をいれなくてはならないポイントでもあることは間違いありません。

 

人事制度の設計はベトナム人の特性を理解しているコンサルタントと一緒に作ることをお勧めいたします。またベトナム国の人事制度のことだから、ベトナム人に任せていくのも注意が必要です。これによる人事制度の相談が最近増えており、日本人のいいところでもありますが、信頼関係を構築できていない人を信じすぎることは禁物です。

 

今回はベトナム労務について抑えておきたい項目の評価について書かせて頂きました。採用から、雇用、労務管理とコラムを書いてきましたが、いよいよ終盤です。

 

次回は教育、研修、社員旅行について触れてみたいと思います。

 

【ベトナム労務について押さえておきたい項目】

  • (1) 採用(管理職、スタッフ職、工場ワーカーなど)
  • (2) 雇用(オファーレター、労働契約書締結)
  • (3) 労務管理(就業規則、賃金テーブル、給与計算、社会保険、所得税等)
  • (4) 評価(昇給、降格、賞与、業績ボーナス等)
  • (5) 教育、研修、社員旅行
  • (6) 退職、解雇等(退職同意書の締結、貸与物の管理、返却)
  • (7) その他

 

 

ガルベラ・パートナーズグループのベトナム現地法人、ガルベラパートナーズベトナムでは、ベトナム進出コンサルティングを手掛けており、視察対応、会社設立、ライセンス取得、登記、人事制度設計、報酬規程の作成、評価制度の設計等、税務・労務サポートをワンストップで、企業様が本業に集中できるよう、サポートいたしております。

 

また、日本側では(株)アセアン・フォーカス、ガルベラパートナーズグループがサポートし、日本とベトナム側の両国で企業のベトナム進出を全面的にサポート致します。

 

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