2014/06/13
Q 先日、NHKの番組で「公益法人改革」について貴社の税理士さんが解説されているのを見ました。その中で、相続税対策として「一般社団法人」が使われるとありましたが、一体どのような効果があるのでしょうか?
A 最初に「一般社団法人」はどのような特徴があるのかご説明します。簡潔に、一般社団法人の最大の特徴は「持ち分」という概念が無いことです。「株式会社」の場合は「持ち分」があるので、会社の財産が株主個人の財産としてそのまま跳ね返ってきます。つまり、相続税の対象になるということです。
そうすると、「それだったら財産を個人から一般社団法人へ移して、切り離せば相続税がかからないね。」と言われる方もいらっしゃいますがそれは誤りです。単純に個人の財産を移した場合は、一般社団法人に対して贈与税がかかることになります。
そこで、実務上考えられている方法が「あげる」ではなく「売買」する、という方法です。この場合は「売買」なのできちんと「対価」を得るので、不当に財産を減らしていることにはなりません。更に、注意すべきこととして、異動させる財産はその財産そのものが収益を生み出すもの(例:「株式」や「収益不動産」)となります。
一般社団法人を使った節税対策は、安易な利用をすると思わぬ落とし穴があります。現在の法律や、その解釈、また今後の税制の動向を十分に検討した上でご活用いただければと思います。