2018/11/26
今回の個人所得税改革は大きく三つの内容に分けられます。
1.個人所得税課税の非課税金額の引き上げ
2.新しい税率表の適応、
3.6つの特別控除項目の登場
そして、一点目と二点目はすでに今年の10月1日から始まりました。三点目は2019年1月1日から開始するとのことです。
個人所得税課税の非課税金額は改革前の月収3,500元(約57,000円)から5,000元(約81,000円)に引き上げられました。3,500元という金額も今までずっとその金額だったというわけではなく、2011年から3,500元になりました。中国の物価や国民の生活水準の変化に従って、1981年の800元から徐々に上がってきました。
ところで非課税金額の月収5000元は中国でどの位の金額かというと、2018年第一四半期の統計によりますと、中国主要37都市の平均月収は7,629元で、一方、中小都市では月収3,000元程度の人がたくさんいる中で、5,000元は平均より上といったところでしょう。
下記は旧税率(左側)と新税率(右側)の比較表です。
上記二点に従って、10月から個人所得税の計算式は以下のようになりました。
個人所得税額=(総支給額-社会保険等控除額-5,000元)×新税率-給与所得控除額
すでに始まった上記二点のほか、更に2019年1月1日から下記の6つの特別控除項目が加われます。
1.子供の教育支出控除(子供一人1,000元/月の定額控除)
2.本人の教育支出控除(学歴取得教育年間4,800元、非学歴教育3,600元の定額控除)
3.高額医療費控除(自己負担分年間1.5万元以上の高額医療費のある家庭は6万元以下の実費控除)
4.住宅ローン控除(一軒目の住宅の住宅ローンに対し年間1.2万元の定額控除)
5.家賃控除(年間9,600元~1.44万元定額控除、地域によって定額が異なる)
6.扶養控除(60歳以上の両親及びその他の法定扶養者がいる場合、納税者は一人っ子なら年間2.4万元定額控除、一人っ子でない納税者は兄弟と2.4万元の控除を分け合う)
今回の個人所得税改革は特に中国人口の大半を占める中低所得者の課税負担を減らし、貧富格差の縮小を目指し、より国民たちの生活を豊かにすることを目的としているとのことでした。
ご興味のある方は中国語の単語も合わせて覚えましょう。
個人所得税の中国語:个人所得税(gè rén suǒ dé shuì)
省略して「个税」(gè shuì)と良く言います。
中国の税金や会計については、中国進出サポートのホームページ(https://business.chinafocus.jp)をご覧ください。
以上、中国個人所得税に係る特別控除について、解説させていただきました。
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