2015/06/10
Q 上海に貿易会社を設立しようと考えています。知人から、先に香港に会社を設立して、そこから上海に法人を設立したほうがいいのではと言われたのですが、どういう違いがあるのでしょうか?
A 1997年に香港がイギリスから中国に返還され、2003年から中国-香港間で経済連携協定(CEPA協定)が締結されました。
中国では、外国企業が貿易業やサービス業に参入する際に様々な規制を設けてきましたが、香港が中国の一部になったことから、将来的な融合を目指して香港への優遇措置を定めました。諸外国への規制緩和が進むに連れて、香港に対する投資優遇制度も毎年更新され、今日にいたっています。
CEPA協定のもっとも大きな特典は、優遇された関税率です。そのため、日本を含む諸外国からではなく、香港から輸入することにメリットがあります。
そして次なるメリットは、諸外国から中国への投資が規制されている業種のなかに、香港を経由することで規制が緩和されているサービス業があります。現在では非常に多くの業界で投資緩和がなされており、ここにも大きなメリットを見出せるといえます。
以前もご案内したように、日本から直接中国に投資をする場合、中国子会社が日本親会社に配当を払うと10%の源泉所得税が課されますが、これが香港だと5%で済みます。香港から日本への配当は無税なので、最終的に5%得をすることになります。
中国と香港は同じ国にあるということで、金融機関においても随分融通がきくのもひとつのメリットといえます。中国本土の資産を担保にして、香港にある銀行でお金を借りるという方法が取れるのは、一つの中国ということの利点かと思われます。
たとえば日本の不動産を購入する場合も、このような手法が多く採用されています。
このほか、香港はすでに小学生から中国語(北京語)の教育がされており、また中国のテレビが放映されているため、若い人たちは広東語だけでなく、中国語(北京語)を流暢に話すことができます。そのため、人材の交流も盛んで、香港の人材を中国本土に派遣することも可能となっています。
以上のように、香港に中間法人を置くメリットは様々な分野で挙げられることがわかります。
ただし、デメリットがあるとすれば、日本のタックスヘイブン税制による合算課税です。こちらについては、また別の機会にご案内してまいります。
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