2014/10/22
Q 当社は中国に工場があるのですが、人件費の高騰により、一部の工程を東南アジアにシフトしようと思っています。進出先はミャンマーがいいかなと思っていますが、電力などが心配です。状況を教えてもらえませんか?
A 2010年の総選挙以降、雨後のタケノコのように西側諸国の進出がはじまったミャンマーですが、実は日本企業の進出の勢いも強まっています。
たしかに電力など生産体制の不備はあるものの、数年内にインフラは整うことが予測されます。ほかの東南アジア諸国と同じく、法制面は未熟ですが、製造業の独資による設立も認められており、会社設立は特に問題ありません。
また、ミャンマーの労働コストは東南アジアで最も安いといえますが、未熟な国内産業により、原材料の大半が海外調達となるため、原材料のコスト高は否定できません。
ミャンマーはイギリス連邦だったこともあり英語が通用するといわれていますが、会話力が弱い英語である点を十分に認識しておく必要があります。さらに、中国、インド、タイに囲まれた国民性を理解しつつ、人事管理を行っていくことが鍵となります。
進出の際は、十分に情報を収集したいところですが、名義貸しの土地投資など誤報も多く、複数筋からの情報収集が不可欠となっております。
たとえば、外資系製造業の会社設立は、会社法による方法と、新外国事業法による方法の2種類があり、それぞれに資本金規制や優遇税制が異なるという奇妙な事態が生じています。
工業団地は、外資系とローカル系では地代が倍以上異なったりもするため、とにもかくにも情報収集に全力を注いでいただきたいと思います。