GERBERA PARTNERSブログ

海外進出全般|海外駐在員の医療保険対策 海外療養費を上手く活用する方法

2016/08/24

Q 日本の健康保険を海外で使えるサービスがあると聞きました。当社の海外駐在員は、健康保険を継続して、保険料も払っていますので、できれば有効に活用したいと思うのですが、どのようなものでしょうか?

 

A 海外駐在員の医療保険については、コストも高くなりやすく、本社にとっても頭の痛い問題です。対応次第では、駐在コストが大きく膨らんでしまうのですが、駐在員の安全に関係する部分でもありますので、安易にカットすることも難しい部分です。

 

 多くの企業では、日本の健康保険を、海外駐在中でも継続しており、それに追加して海外旅行傷害保険を付保しているケースが多いようです。この場合は、海外療養費という制度を利用することになります。

 

協会けんぽ「海外療養費」とは

 

上記のサイトの説明によりますと、次のように記載されています。

 

「海外療養費制度は、海外旅行中や海外赴任中に急な病気やけがなどによりやむを得ず現地の医療機関で診療等を受けた場合、申請により一部医療費の払い戻しを受けられる制度です。」

 

請求の詳細については、上記のサイトをご覧いただきたいと思いますが、実務的な手続がかなり煩雑です。

 

 まずは、海外現地で医療期間を受診した場合は、本人がいったん全額を立替払いすることになります。その後、日本の健康保険に海外療養費として請求します。請求の際においては、診療内容明細書に翻訳を付けて提出するなど、労力やコストがかかる作業が発生します。

 

 また、給付額についても、実際に海外でかかった金額ではなく、あくまで日本の診療報酬点数に換算して計算されるので、実費の7割が払い戻しされるとは限りません。

治療の内容にもよりますが、医療費の高い欧米だと2割程度、アジアでも5割程度の払い戻しという事例もあるようです。

 

 なお、歯科治療も対象になりますが、日本国内で保険診療として認められている医療行為のみが対象となります。海外療養費を請求したものの、結果としてほとんど給付の対象にならなかったという事例もあります。

 

 またご参考までに、大手企業中心ではありますが、海外療養費の代行プログラムも提供する事業者もあるようです。

 

 【一例として】

株式会社プレステージ・インターナショナル「ヘルスケアプログラム」

 

 ある程度のスケールメリットがないと利用が難しいサービスもありますが、1件からの小規模対応している事業者もあります。海外療養費については、言語や社会保険制度への専門知識が不可欠ですので、専門業者への代行という選択肢も、検討の余地はあろうかと思います。

 

 弊グループでは、日系企業様の海外進出を支援させていただいており、海外駐在員の給与、所得税、社会保険、福利厚生等の労務管理のご支援をさせていただいております。ぜひお気軽にご相談ください。

 

ガルベラ・パートナーズの「海外赴任.com」

 


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