GERBERA PARTNERSブログ

海外進出全般|一時帰国の回数に法律的な制限はある?

2016/11/09

Q 当社の海外駐在員には、年1回程度の一時帰国休暇を設けております。このたび、駐在員から、もう少し増やして欲しいとの要望がありましたが、年2回以上だと何か問題があるのでしょうか?

 

A 海外駐在員の帰国には二種類あります。

 

(1) 休暇としての一時帰国休暇(ホームリーブ)

(2) 業務出張としての日本出張

 

(1)については、費用は日本本社負担、(2)については現地の業務の一環ということで、費用は現地法人負担とする形が一般的です。

 

 実務的には、(1)と(2)が曖昧になっているケースがあるのですが、休暇と業務を混同しますと、駐在員の給与課税や本社の費用の損金性の問題から思わぬトラブルになるケースもありますので、ご注意ください。

 

 さて、この一時帰国休暇(ホームリーブ)の回数は、実務上は年1回程度としている会社が多くなっております。

 

 必要以上に一時帰国休暇(ホームリーブ)を付与してしまいますと、本社からの給与ということになりかねませんで、税務上不適切になってしまうのですが、これについては、法令上の根拠がありません。

 

 ただし、参考になるものとしては、外資系企業の日本支店の従業員(いわゆる外国人エクスパッツ社員)に対する一時帰国については、下記の通達があります。下記に引用させていただきます。

 

【所得税個別通達 6-1(例規)  昭和50年1月16日】

 

 国内において勤務する外国人に対し休暇帰国のため旅費として支給する金品に対する所得税の取扱いについて

 

(趣旨)

本国を離れ、気候、風土、社会慣習等の異なる国において勤務する者について、使用者が、その者に対し休暇帰国を認め、その帰国のための旅行の費用を負担することとしている場合があるが、その休暇帰国はその者の労働環境の特殊性に対する配慮に基づくものであることに顧み、使用者がその旅行の費用に充てるものとして支給する金品については、強いて課税しないこととするのが相当と認められるからである。

 

(内容抜粋)

使用者が、国内において長期間引続き勤務する外国人に対し、就業規則等に定めるところにより相当の勤務期間(おおむね1年以上の期間)を経過するごとに休暇のための帰国を認め、その帰国のための旅行に必要な支出に充てるものとして支給する金品については、その支給する金品のうち、国内と母国との往復に要する運賃で、経済的かつ合理的と認められる通常の旅行の経路及び方法によるものに相当する部分に限り、課税しなくて差支えない。

 

 エクスパッツ社員の一時帰国休暇(ホームリーブ)については、年1回程度なら、非課税として構わないという内容です。これに合わせる形で、日本からの海外駐在員の一時帰国(日本本社負担)についても、年1回までとするという実務運用が一般的のようです。

 

 弊グループでは、日系企業様の海外進出を支援させていただいており、海外駐在員の給与、所得税、社会保険、福利厚生等の労務管理のご支援をさせていただいております。ぜひお気軽にご相談ください。

 

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