2019/08/30
台湾で会社を設立して商売を始めたら、事業者は政府に指定されている「統一発票」というインボイスを発行しなければなりません。台湾では、日本の消費税のような付加価値税を「営業税」といい、この営業税の算出は売上に係る営業税から、仕入に係る営業税を控除して算出しますが、この際に営業税を控除するためには、必ず統一発票が必要になります。もちろん、法人税算出にあたり損金算入するためにも、この統一発票は必要です。
台湾では、後述する小規模事業者を除いて、この統一発票を税務局で購入し、それを使用しなければなりません。日本のように任意の請求書は税務上正式なものとして認められません。
一方、国外の事業者は、統一発票を発行することができませんので、会社ごとに作成する請求書を仕入証憑として取り扱うことができます。
そして台湾ではこの統一発票を台湾税務当局から購入するか、あるいは税務当局が認定した製造業者からレジスターを購入して発行しなければなりません。一般的にはレジスターの購入ではなく、三連式発票を台湾税務当局から購入して使用します。正式に営業税算出のうえで使える統一発票にするためには、決められている記載要件を具備した統一発票でなければなりません。
販売者(役務提供書)は、自社の統一番号(台湾では統編號碼といいます。)を記入し、このほかの必要情報としては、社名、統一番号、品名(中国語)、金額(税別・税込)、郵送先の情報(宛名、住所、電話番号)です。
統一発票の発行時期は業種別に法律で定めれており、販売の場合、原則として出荷時に発行すれば足りるのですが、前受金を授受する場合はその前受金の授受の時点で発行しなければなりません。また、契約を取り交わしている場合は、買い手側の契印をもって発行しなければなりません。飲食業、旅館業、娯楽業などの場合は通常お金を払った時点で、運輸、内装、広告、リース業なども入金があった時点で発行することになります。
発票をもらわなければならないのは、仕入にとどまらず、各種経費が発生する際にも必要となります。このような場合に、発票には統一番号を記入してもらわなければならないのですが、常に8桁の統一番号を暗記しておくのも大変ですので、名刺に記載しておくのがよいでしょう。
そのほかの留意点としては、クレジットカードで支払いがあった場合は、そのカード番号の下四桁を発票上に記載しておく必要があります。この記載を怠ると、罰金が科されるため、ご注意ください。
売上高が月間で20万台湾ドル未満の場合、統一発票の発行は免除され、発票に代えて「收據」という手書きのレシートを発行することができます。ただし、その場合でも必ず統一発票専用のスタンプを押印しておく必要があります。
たとえば日本から台湾に商品を輸入した場合、それらの取引については輸出元のインボイスのほか通関証明書や輸入納税申告書なども用意しなければなりません。海外からの仕入れの場合、統一発票が存在しないため、恣意性排除の観点からその取引を証明する書類を添付することになります。
法人税上の売上高と、統一発票の総額とが一致しないことはよくあります。主な差異要因としては、たとえば売掛計上をしているものの統一発票は未発行のままであることで期ずれが発生することはよくあります。期首もまたしかりです。同じく前受け金を受領したものの、売上計上は翌期になるとか、その期首の取り扱いも同様です。このほか、輸出が絡む場合は営業税がかからないため、法人税法上の売上とずれが生じてしまいます。この場合、法人税申告書と営業税申告書とで、それぞれ別表を作成し、調整を行うことになります。
統一発票は2ヵ月毎に申告を行います。このため、発票の作成にあたって書き損じや売上戻り、返品による破棄処理などがある場合、その発票が未申告なのかどうかによって、手続が異なります。
まだ未申告の発票については、破棄して新たに再発行すれば済みます。この際、販売先(役務提供先)からその破棄すべき発票を回収し、控えのほうに貼り付けて「VOID(または作發)」と記載します。
すでに申告してしまっている場合は、やや面倒くさい処理となり、販売先(役務提供先)側に売上戻りまたは返品統一発票を発行してもらわなければなりません。この発票は4枚つづりとなっていますが、このうち1枚目を申告用、2枚目を会社控え用として受け取らなければなりません。
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