2022/05/20
A、海外住宅規定についての確認事項をご説明いたします。
大家さんの好みやエリアの違いにより傾向がございますので、賃貸借契約手続きの手間を省くためにも事前確認をお勧めいたします。
アジア圏で好まれる契約形態です。
現地法人か日本本社での契約かをご確認ください。会社登記の提出を求められたときに日本法人だと面倒になることがあり、保証金を返金する時に海外送金ができなくなる可能性もあります。
また、法人契約といえども実際に住む赴任者のビザ取得がなければ、賃貸借契約が結べない国もありますのでご注意ください。
事例:
現地大家さんが年配の方で、日本で上場している企業からのオファーを現地法人がなく、企業名も知らないという理由でオファーを断った。
欧米では審査や契約手続きが比較的簡単な契約です。
多くの国でビザ取得が必要となり、それ以外で雇用証明書、収入証明、銀行残高証明書等を求められることもあります。
契約時の初期費用は、現地銀行の口座がないため、日本から海外送金が直ぐにできるように準備が必要です。
契約名義は個人になっているが、実際には会社から住宅補助がある場合は、家賃の支払い方法をご確認ください。
事例:
給与に家賃手当として会社から家賃分が支払われているが、保証金については退去後に返金されることを前提に会社からの支払いがないため、個人で支払う事になった。
*例えば、家賃50万円の契約で保証金が家賃2ヵ月分だと100万円が個人で用意する必要があります。
会社からの家賃予算については、金額だけでなく、含まれている内容をご確認ください。
例:家賃・共益費(管理費)・税金・家具家電レンタル費・駐車場など
国によって賃貸借の商習慣も違いますので、現地の一般的な諸費用を確認しておくことをお勧めいたします。
もし海外に新規進出されたばかりで住宅の予算が決まっていない場合は、日本人居住区に特化した家賃相場を取り寄せることをお勧めします。ローカルエリアも含めてしまうと低額になったり、外国人が多く住む有名所ばかりだと高額なったりする可能性があります。家族帯同でお子様が日本人学校に通学されるのであれば、エリアが限られてきますので、そのエリアの家賃相場を目安にすると良いです。
事例:
共益費が自己負担になることを知らないで、共益費が高いマンションで契約をしてしまった。
*海外のマンションはクラブハウス(ジム・プール・キッズルームなど)が施設としてあることが多く、共益費(管理費)が数万円と高額になることがあります。
会社によっては、指定されているエリア内で物件を探さないといけなかったり、通勤時間が掛かり過ぎる物件はダメだったりすることがあります。
勿論、治安が悪いエリアは社宅規定に記載がなくても避けてください。「1ブロック先は別世界」。地元の人の話を聞くこともお勧めします。
事例1:
社宅規定でエリアの指定があることを知らず、最初に気に入った物件で契約できなかった。
*時間の無駄になりますので、エリア指定があるかを事前に確認してください。なお、子供がいる場合は、スクールバスの停まる場所が決まっていますので、ある程度エリアが絞られます。
事例2:
単身男性が繁華街で新築の比較的相場より安いマンションに入居したが、数ヶ月後に空き巣被害にあった。同マンションで数部屋の空き巣の被害があり、後日、管理人と共謀して行っていたことが判明した。
子供の学費補助がある場合、負担額、負担割合、対象学年、対象学校をご確認ください。海外での学費は日本よりはるかに高額になることが多いです。
また、医療保険や住宅保険についても確認をしておきましょう。
事例1:
幼稚園児がいる家族で会社から学費補助がでるので日系幼稚園の近いマンションにしたが、学費補助があるのは小学生と中学生の義務教育期間のみと分かった。日系幼稚園の授業料も高いことから少し離れたローカル幼稚園に通園することになった。
事例2:
会社から海外でも使える医療保険に加入していたが、保険適用の指定病院がある事を知らず、指定病院から離れたエリアで物件を決めたため通院が大変だった。
*指定病院がある場合は、場所を事前に確認しておきましょう!
事例3:
保険が適応している病院で入院。検査の結果、渡航前に手術をしていたところが再発していたことが分かり、保険適応外になってしまった。有名私立病院に長期間入院していたため、高級外車が買えるほどの額を請求された。
*医療費が高額な国も多いため、十二分に注意してください!
事例4:
5人家族(小学生3兄弟)で家主が住んでいたお部屋に入居。イタリア製の高級家具をそのまま使わせてもらえることになったが、3年後の退去の時にはその高級家具が無残な姿に。明らかに壊されていたので家主が激怒。弁償をするしかなかった。
*火災保険や家財保険は任意で会社でも加入していないケースは多いです。小さな子供がいる家族や高級家具が入っている物件にご入居される場合は、保険に入られることをお勧めします。
予算や場所以外にも物件探しの規定がある場合があります。
事例:
単身赴任でのお部屋探し。予算内だったので3LDKの物件に決めたが、会社に物件の間取りについて予算内といえども単身で3LDKの部屋は必要ないと言われ、物件の探し直しとなった。
*間取りや広さだけでなく、階数やエリア、マンションの入居者状況など細かく規定している会社もあるのでご注意ください。
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