正しい経営理念、作れていますか？ | ガルベラ・パートナーズグループ

Ｑ、上司と部下で判断が真逆になるのは、なぜでしょうか？

     

Ａ、多くの場合、共通の判断基準がないことが原因です。

 

解説（公開日：2025/12/16）

   

上司と部下の判断が食い違うのは、なぜか？

「値引きよりも、サービスで勝負すべきだ」

「売上を作るためには、値引きも必要だ」

 

会議の場で、こんなやり取りが起きたことはないでしょうか。

上司と部下、どちらが間違っているわけでもありません。

にもかかわらず、議論は平行線をたどり、最終的には「上司の鶴の一声」や「なんとなくの空気」で決まってしまう。

実はこの状態こそが、経営理念が機能していない組織の典型例です。

 

経営理念がない会社で起きていること

経営理念が曖昧、あるいは形だけになっている会社では、社員はそれぞれ自分なりの正解で判断するようになります。

このように、判断軸が人によってバラバラになると、組織は少しずつズレ始めます。

これは能力や意欲の問題ではありません。

共通の判断基準が存在しないことが原因です。

 

社員がバラバラに走り出す本当の原因

組織の方向性がズレる原因は、シンプルです。

「全員が同じ基準で判断できる言葉がない」

売上、利益、顧客満足、品質、スピード――

どれも大切ですが、優先順位が定義されていないと、人は迷います。

 

その結果、

といった状態が生まれ、「なんとなく組織が弱くなっている」感覚につながります。

 

経営理念は「会社の羅針盤」である

経営理念とは、会社がどこへ向かうのかを示す羅針盤です。

重要なのは、理念があるかどうかではありません。

判断に使えるかどうかです。

 

良い経営理念は、社員が迷ったときにこう問いかけられます。

この問いが自然に生まれる状態こそ、理念が機能している組織です。

 

今回の事例で考える、正しい経営理念の例

冒頭の「値引き vs サービス向上」のケースを考えてみましょう。

もし、会社の経営理念が次のようなものだったらどうでしょうか。

「まず、お客様の期待を超える。売上はその後についてくる」

この一文があるだけで、判断は揃います。

上司と部下で議論する必要はありません。

理念が、答えを出してくれるからです。

 

機能する理念と、形だけの理念の違い

形だけの理念には、次の特徴があります。

一方、機能する理念は違います。

経営理念は「飾る言葉」ではなく、使われて初めて意味を持つ言葉です。

 

経営理念づくりは、組織づくりの第一歩

理念がある会社は、強いと言われます。

それは、社員が優秀だからではありません。

迷わず、同じ方向に進めるからです。

 

経営理念を整えることは、社員を管理するためではなく、社員が自ら判断できる組織をつくるための第一歩です。

 

理念の作り方や、現場に浸透させる方法については、次回の記事・動画で詳しく解説していきます。