2016/08/26
Q 2016年4月に施行された障害者差別解消法とは何ですか?
A 障害者基本法第4条を具体的に実現するための法律です。
障害者基本法第4条は障害者への差別を禁止した条文で、次の3項で定められています。
1 何人も、障害者にたいして、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。
2 社会的障壁の除去は、それを必要としている障害者が現に存し、かつ、その実施に伴う負担が過重でないときは、それを怠ることによって前項の規定に違反することとならないよう、その実施について必要かつ合理的な配慮がなされなければならない。
3 国は、第一項の規定に違反する行為の防止に関する啓発及び知識の普及を図るため、当該行為の防止を図るために必要となる情報の収集、整理および提供を行うものとする。
このように差別行為の禁止と合理的な配慮を求めています。
ところでこの「合理的な配慮」とは何でしょうか。
合理的な配慮とは次の3つのいずれかを指します。
1 時間や順番、ルールなどを変えること
例)精神障害がある従業員の勤務時間を変更し、ラッシュ時に満員電車を利用せずに通勤できるように対応する
2 設備や施設などの形を変えること
例)建物の入り口の段差を解消するために、スロープを設置する
3 補助器具やサービスを提供すること
例)視覚障害がある従業員が仕事で使うパソコンに音声読み上げソフトを導入し、パソコンを使って仕事ができるようにする。
この合理的な配慮は、行政機関や地方公共団体などはしなければなりませんが、民間企業は現在のところ、「努力義務」となっています。そのため、違反があったとしても、すぐに罰則を求められることはありません。しかし、その事業を担当する大臣から報告を求められた際、虚偽の報告を行ったり、報告を怠ったりした場合には罰則(20万円以下の過料)の対象になります。
海外では既に浸透しているだけに、今後は障害者雇用率同様に浸透し、努力義務ではなく義務化され、罰則も厳しくなる恐れがあります。
私どもでは運営サイト「新規事業ドットコム」にて、障害者差別解消法についてより詳しく記載すると共に、その対策についても触れています。
努力義務段階から、CSR活動の一環として、対策を実施したいという企業様はお気軽にご相談ください。
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