2021/06/15
A、「一般事業主行動計画」は、従業員の要望なども聞きながら、A4用紙1枚くらいで作成しておけば足ります。本稿では、「一般事業主行動計画」について、どのような手順で作成をすすめればいいかをご案内をさせていただきます。なお、具体的な事例については別のブログ記事をご用意しておりますので、ぜひそちらも併せてご覧ください。
「一般事業主行動計画」は、次世代育成支援対策推進法という法律に基づき、企業が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境を整備したり、子育てをしていない従業員も含めて、多様な労働条件の整備などに取り組むに当たって、計画期間、目標、目標達成のための対策及びその実施時期を定めるというものです。また、女性活躍推進法という法律において、女性の活躍を推進するための雇用環境にも着目されるようになっています。なお、「一般事業主行動計画」の具体的なサンプル事例については、下記のブログ記事にまとめておりますので、そちらをご参照ください。
「一般事業主行動計画」の策定、届出は、101人以上の従業員を雇用する企業に義務付けられています。
当社は社会保険労務法人として、数多くの両立支援助成金の申請を代行させていただいておりますが、「一般事業主行動計画」も多く作成してきました。参考に、依頼主の状況に応じて、どのような内容を記載すればいいかを以下に掲載しますので、該当するものがあればぜひご活用ください。
「一般事業主行動計画」は、以下のような手順で策定していくとスムーズです。もちろんこれは一つの方法に過ぎません。
まず、策定しようとしている一般事業主行動計画が、自社の実情に合ったものとなっているかを検討しなければなりません。
仕事と子育ての両立をはばむ障害が何なのか、その把握方法は、従業員にアンケートを取ったり、あるいは、過去数年間さかのぼって、妊娠・出産を機に退職する従業員数や、育児介護休業を取得した従業員の数を調べるなどの方法が考えられます。
育児休業、子の看護休暇、育児のための柔軟な働き方など、こういった制度があること自体、どれくらいの従業員が認識しているのかを把握するのもいいでしょう。
従業員のニーズを把握するにあたっては、以下のような項目を従業員にアンケートを取るなどして調べておくのはいかがでしょうか。
上記(1)の現状分析である程度課題が見えてきたら、各課題に優先順位をつけるとよいでしょう。
自社の実情を踏まえて計画期間を決め、次に子育て支援のための一般事業主行動計画として盛り込むのにふさわしい目標を決定しましょう。目標はいくつでも設定できます。可能な限り、定量的な数値目標としましょう。
なお、計画期間終了後に「くるみん認定」の取得を目指す企業は、目標の設定に際しては、関係法令で定める最低基準を目標とするのではなく、それを上回る水準にしましょう。というのも、関係法令で定める最低基準の制度導入を目標にしてそれを達成していても、認定基準を満たすことができないからです。
計画期間終了後に目標を達成できるよう、具体的な対策を2つか3つほど立てましょう。
「20##年●月より、△△△を行う」など、日付を入れて具体的に記載しましょう。
一般事業主行動計画を策定したのち、その計画を厚生労働省の「両立支援のひろば」や自社のホームページで公表しましょう。もしインターネットが使用できない場合、事務所内に備え付けておき、一般の方からの求めに応じて公表できるようにしておく方法でも問題ありません。
一般事業主行動計画を策定したのち、その計画の内容を従業員へ周知しましょう。周知方法は、事業所の見やすい場所に掲示したり、イントラネットに掲示したり、従業員に配布したり、電子メールで送付したりします。
一般事業主行動計画を策定したら、「一般事業主行動計画策定・変更届」(様式第一号)を都道府県労働局雇用環境均等部(室)に郵送、持参、電子申請のいずれかにより届け出ましょう。なお、「一般事業主行動計画」そのものは、添付しなくてもかまいません。
「一般事業主行動計画」に掲げた対策を実施し、目標を達成できるよう一丸となって取り組みましょう。
以上が「一般事業主行動計画」の具体的な記載内容となります。なお、「一般事業主行動計画」の具体的な策定手順については、以下のブログに詳しく掲載していますので、ぜひご参照ください。
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