2015/12/11
Q 最近、生前のうちに贈与を受けた財産について、相続時に「争族」になるという話を聞きましたが、事前に対策をすることはできますか?
A 今回の事例はよくあるケースです。相続時には、遺留分という各相続人が最低限財産をもらう権利があります。勘違いされがちなことは、遺留分自体が、実際の相続時にある財産のみにより判定すればそれで問題がないと考えられていると言うことです。
遺留分は被相続人が生前のうちに贈与した財産も含まれますので、生前のうちに贈与して、相続が発生した際には、財産のほとんどがなくなってしまっていたとしても、生前にした贈与までさかのぼって財産を受ける権利を各相続人は有しています。
最低限の財産を請求する行為を遺留分減殺請求と言いますが、遺留分減殺請求は、侵害されていることを知ってから1以内又は知らなかった場合でも、相続開始から10年経過するとその権利はなくなってしまいます。
また、遺留分自体の計算は、贈与時点の財産価値ではなく相続発生時点の財産価値で決定するということも注意が必要です。例えば、未公開会社の株式は贈与した時点では非常に低い株価であったとしても、相続発生時点で高額になっていた場合には、高い金額で遺留分の計算を行います。
そのため、自分には関係ないと思っていた贈与財産が将来に思わぬ落とし穴になるケースもあります。そのため、今回は株式に特化した形で対策を紹介します。
今までのオーソドックスな対策は、「遺留分の事前放棄」と言う手続きです。相続人全員が家庭裁判所に申し立てをして株式に関する遺留分については今後一切主張しないという手続きです。この手続きは、各相続人が手続きしないといけないと言うデメリットがありますが、今は相続人の仲が良好な場合には適しています。
ポイントは相続人間の仲がうまくいっているときに手続きを済ませてしまうというところになります。
もう一つの対策は、遺留分の対象資産から株式を除く、除外合意と言う手続きです。この手続きは家庭裁判所に申し立てると言う手続きは、上記と同様ですが、各相続人が申し立てをする必要はなく、各相続人から印鑑をもらうことができれば、贈与を受けた相続人のみで手続きができるという点です。
いずれにしましても、生前のうちに対策を打つことは経営の安定化という意味で必要不可欠なことです。
事前に争族対策を行いたい方は、争いが起きる前にぜひガルベラ・パートナーズにご相談下さい。
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