2016/01/01
Q 私の会社は、後継者に株式を引継ぎたいと考えておりまして、最近未公開会社の株価算定の方法が変わるかもしれないと聞きましたが本当ですか?
A 先日発表された平成28年度の税制改正大綱の中に、中小企業の株価を計算する際の算定方法について、総合的な見直しが必要という文言が明記されました。
平成28年度の税制改正大綱の文言を抜粋すると、
「取引相場のない株式の評価については、企業の組織形態が業種や規模、上場・非上場の別により多様であることに留意しつつ、相続税法の時価主義の下で、比較対象となる上場会社の株価並びに配当、利益及び純資産という比準要素の適切なあり方について早急に総合的な検討を行う。」との明記があります。
未上場会社の株価は、大まかに上場会社の株価に自社の数字を比準させて価額を決定するいわゆる類似業種比準価額と自社の資産と負債の差額である純資産価額の二つの要素で決定されます。
今回明記されたものは、前者の類似業種比準価額の算定方法に関する将来の見直しに関するものです。
平成26年からアベノミクスを背景に上場企業の株価は上昇しました。しかし、未公開会社は業績に大きな変化のないままに、上場会社につられるように株価だけが想定外に上昇し、株式の引継ぎを阻害する結果となっています。
実は、この株価上昇は海外展開を軸とした上場企業のグローバル戦略をもとにしているとも言われています。そのため、そのような展開のない未公開会社も同じく株価が上がってしまうのは、株価算定上の欠陥ではないかとの見方がではじめています。
そのため、今後はこの類似業種比準価額が未公開会社の実態により近い形で推移するように見直しが行われると思われますので、動向に注意が必要です。
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