2025/06/20
A、令和7年(2025年)6月に施行された公益通報者保護法の改正について、ポイントを整理して説明します。
改正公益通報者保護法は、消費者庁により2024年12月に制度検討会報告書が取りまとめられ、本年3月4日国会に法案提出、同4月24日に衆議院において修正議決され、同6月4日参議院において可決され、成立しました。その後6月11日に令和7年法律第62号として公布されました。この法律は、政令で定められた期日(公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内)から施行されています。公益通報者保護法とは何かということと、そして今回の改正点。事業者として注意しなければならないポイントを解説します。
公益通報者保護法は、事業者の違法・不正行為を労働者が通報した場合、その通報を理由とした不当な解雇・降格・異動などから労働者を保護するための法律です。これにより、労働者は安心して内部通報を行えるようにすることで事業者の法令遵守を促進することを目的としているものです。
フリーランス(特定受託業務従事者)とその終了から1年以内の者が「公益通報者」の範囲に加えられました。このことで委託契約者も通報者保護の対象となり、契約解除等による不利益な扱いが禁止されます。
① 通報後1年以内、または通報を知ってから1年以内の解雇・懲戒は「通報を理由とするもの」と推定され、企業がその正当性を立証する責任が生じます。
② 通報を理由とした懲戒・解雇には刑罰が付されます。
① 通報制度の体制づくり(通報窓口、担当者、周知)が法的に義務化され、従事者指定を怠った場合には、行政による立入検査や命令、刑罰が科されます。
② 内部通報窓口の担当者を全従業員向けに周知する義務も明記されました。
通報しない合意を強制・誘導した場合、その合意は無効となり、正当な理由なく通報者を特定しようとする行為は禁止されます。
民間委託業務でも通報制度を整備し、通報者の不利益的取扱いの禁止
通報窓口や従事者指定が未整備だと行政処分や罰則のリスク発生
通報しない合意や通報者探しは法的に無効となりこの行為による行政介入や告発を招く可能性発生
解雇・懲戒の正当性の立証責任、違反時の企業・個人への刑罰
通報行為から1年間は、特に慎重な対応が必要
以上、本年6月に施行された改正法の概要と注意点となります。事業者は、フリーランスを含む通報制度の強化と周知、対応体制の整備を着実に進めていく事が大切です。
ガルベラ・パートナーズでは、専門家による事業者様のご相談対応を行っていますのでお気軽にお問い合わせください。
参考資料:公益通報者保護法と制度の概要(消費者庁)
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