2020/04/20
「特定技能」という言葉自体は広まりつつも、その制度自体の理解は広まっていないように感じます。事実、「うちの会社でも特定技能外国人を雇用できますか?」という質問を業界問わず非常に多くの方からいただきます。
「特定技能所属機関」とは、在留資格「特定技能」で、日本に在留する外国人を雇い入れる会社のことです。「受入れ機関」ともいわれます。「受入れ機関」になるための基準をご説明する前に、まず大前提として、特定技能外国人の受け入れを希望する企業は、特定産業分野14業種に該当する事業を行っている会社である必要があります。
「特定産業分野」とは、生産性の向上や国内人材確保のための取組を行っても、なお深刻な人材不足であり、当該分野の存続のために外国人材が必要と認められる分野のことです。現在は、下記の14業種が指定されています。
介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業
「特定技能所属機関」に対しては、特定技能外国人の雇い入れを適切に行っていくことが当然に求められます。ゆえに特定技能所属機関として特定技能外国人を受け入れるための基準が省令(特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令)等において、詳細に定められています。まずは、どのような基準をクリアする必要があるのかを理解しましょう。
特定技能所属機関となるための基準は大きく3つに分けられます。
A.特定技能所属機関自体が適切であること
1年以内に非自発的離職者を発生させていないこと など10項目
B.特定技能外国人と結ぶ雇用契約が適切であること
相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事させること など7項目
C.特定技能外国人への支援体制と支援計画が適切であること
1号特定技能外国人を雇い入れる場合、特定技能所属機関は、当該外国人に対して、職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援を行う必要があります。外国人が十分に理解できる言語で支援を行うこと、外国人の住居確保に係る支援をすることなどがその例とされています。
いかがでしょう? 非常に多くの要件をクリアしなければ、「特定技能所属機関」として、特定技能外国人を受け入れることが難しいと感じた方も多いと思います。
5年間で約34万人の受け入れを想定している「特定技能」という新たな在留資格ですが、今後も、人手不足や採用難の悩みを抱え、ぜひ特定技能制度を利用して、特定技能外国人を受け入れたいとお考えの企業関係者及び外国人雇用に携わる方々の制度理解につながるような有益な情報を発信してきたいと考えています。
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