2016/01/27
Q このたび、中国で貿易会社を設立するのですが、数か月間、日本本社から数名の社員を出向させる予定です。これにあたってのビザの取り扱いや取得方法について、教えていただけますでしょうか?また、これらの社員の給料の負担方法についてもご教授ください。
A 中国のビザについては、弊社上海事務所で年間数十名の取得代行を行っていますので、なんでも聞いてください。
弊社の事務所は上海にありますので、上海のビザ取得代行は、非常にリーズナブルに代行しています。その他の地域も取得代行は可能ですが、役所の往来は各都市のパートナーに代行してもらうため、どうしても上海よりは高くなってしまいます。
しかも、上海のビザの手続き料金は市場価格が相当下がっていて、当社も相当安いかと思います。簡単に思われるかも知れませんが、お客様とやり取りするメールは50回くらいに及ぶため、実は結構煩雑だったりします。
今回は、飲食事業を上海で合弁でやろうとしているとのことですが、どのように働くかがポイントになります。数か月とのことですので、就労ビザ(Zビザ)ではなく、商務ビザ(MMビザ)で乗り切ることも検討されたほうがいいかも知れません。
Zビザは、現地でまず申請して、その手続きに約3週間かかります。そのあと、日本にある中国大使館または領事館で臨時Zビザを申請し、そのまま中国に入国して、現地で健康診断をして、続けて就業証と居留証の2種類の申請をします。最後の居留証を取得する際は、現地でパスポートを1週間も預けなければならず、その間はもちろん出国できません。
以上のように、Zビザの取得は、非常に煩雑で時間もかかり、ご本人にとっても大変な手続きとなります。
これに対して、Mビザは現地で働くためではなく、中国の展示会で商品説明をしたり、中国の会社から製品を購入する際に現地で品質管理や技術指導のために14日を超えて中国に滞在するために取得します。
Mビザは、Zビザに比べると手続きはとても簡単です。現地の会社から招聘状を受け取り、これと申請書をもって日本にある中国大使館・領事館で申請するだけです。
ビザをどちらにするかによって、ボリュームも変わりますが、現地の会社から給料をもらって働くのではなく、サポートしたり調査をしたりするだけであれば、Mビザの取得で問題ないです。単発ビザや、半年マルチ(何度も入国できる)など、さまざまな入国方法に応じて取得することになります。
現地で給料が出るのであれば、Mビザでは働けないため、Zビザを申請することになります。あるいは、日本本社から給料が出るけれども、その費用負担は現地でするということも想定されます。この場合は、結局負担は現地法人であり、現地で給料が出るということになるため、Zビザでなければなりません。つまり、日本本社から給料が全額出るのであれば、原則としてZビザはいらない、ということになります。(あくまでも、中国で就労していないというのが前提ですが・・・。)
おさらいになりますが、もし中国の現地法人のために働くのであれば、給料の負担は中国でということも考えられます。そうではなく、日本本社の売上を増進するために働いたり、中国から購入する製品の品質管理や技術指導のために働いたりして、日本本社の経営のために中国で働いているのであれば、中国の現地法人からは給料が出ないということになり、そもそもZビザではなく、Mビザでよい、ということになるわけです。
ところで、現地で給与を支給するかわりに、日本本社が立て替えて、日本で支給し、その分を会社どうしで請求する方法を取っているケースもあります。この場合は、現地法人が日本本社に立替金を支払うことになりますが、海外送金にあたっては、必ず中国サイドで個人所得税を納税したことを証する書類が必要になります。
もし、中国の現地法人が、日本本社から人員を派遣してもらって、その派遣してもらったことへの見返りについて、本人に給料を払わず、日本本社に業務委託費として支払う場合は、中国から日本に送金する際に、16%程度の源泉徴収をしたうえで送金することになります。この16%の内訳は、10%が企業所得税、約6%が増値税等(あるいは地域によっては営業税等)です。
このほか、送金時に5万米ドル以下であれば銀行窓口で契約書などの証拠書類を提出すれば足りますが、5万米ドルを超える場合は、税務局と外貨管理局の許可を経て海外送金をすることになります。
ビザと海外送金は、中国ビジネスを進めていくにあたって、どの会社も必ず直面する問題となりますので、しっかりと理解し、取り組んでいただければと思います。
ガルベラ・パートナーズでは、就労ビザの代行取得をリーズナブルな価格でお受けしております。就労ビザ取得サポートについて、スケジュールや料金を下記に掲載しています。ぜひご参照ください。⇒詳細はこちら
また、中国のビザについては以下のQ&Aでもご案内していますので、ご参照ください。
弊社で就労ビザの申請を代行させていただく場合は、具体的なスケジュールについて、入国時期をまず決めていただいてから、さかのぼって、いつ、どういう手続きが必要かを検討のうえ、ビザ取得に係るスケジュールをご提案させていただいております。特に、旧正月や国慶節など、中国側の祝日が入る場合は要注意です。
また、どうしても入国とビザ取得のスケジュールが合わない場合は、先にMビザ(商用ビザ)で入国して、あとからZビザを取り直すことも検討いただくという方法もあります。日本の行政書士や税理士などの専門家の皆様からもご依頼を承っております。なんなりとご相談ください。
◆ ガルベラのメールマガジンに登録しませんか◆
当社では毎月1回、ご登録をいただいた皆様へメールマガジンを配信しております。
税務・労務・経営に関する法改正や役立つワンポイントアドバイスをご案内しておりますので、ぜひ貴社の経営にご活用ください!
10秒で登録が完了するメールマガジン 登録フォームはこちら!!