2015/01/13
Q 新卒採用で苦戦しています。少子化や学生の安定志向の影響もあり、合同説明会でも大手企業の陰で、学生の訪問数も年々減少傾向しています。何かよい方法はありますか?
A いよいよ2016年卒の採用活動も本格化する時期となりました。大手企業を中心に、インターンシップが採用活動の中心になり、以前にもまして学生の目が一部の大企業に集中するようになっています。
マンパワーや予算に劣る中小企業にとっては、新卒採用はますます困難になっております。業種や地域による人気の違いや長年の企業イメージもありますので、なかなか特効薬はありません。
就職活動は本音と建前の世界でもありますので、学生にとっても待遇については聞きにくいところです。そこで、労務管理の状況について積極的に公開することで、厚労省から「若者応援企業」として認定をもらう制度があります。
企業様のお考えもあろうかと思いますが、新卒採用に苦戦されているようであれば、ご検討いただいてもよろしいかと思います。
要件は7つありますが、まずは大前提になるものです。
(1)労働関係法令違反を行っていないこと。
(2)新規学卒者の採用内定取消を行っていないこと。
(3)助成金の不支給措置を受けていないこと。
(4)事業主都合による解雇または退職勧奨を行っていないこと。
要注意は(4)です。自己都合退職だと思っていたものが、説明不足から退職勧奨扱いになっていたりすることがあります。過去に(4)が発生していないかどうかは、ハローワークで確認できます。
次の要件も確認をお願いします。
(5)「若者応援企業宣言」の事業目的に賛同していること。
(6)学卒の正社員求人をハローワークに提出すること。
ハローワークの求人は無料ですので、コストをかけず求人チャネルを増やすことができます。新卒採用については、大手人材会社を活用する場合が多いのですが、ハローワークへの求人票も併用しましょう。
最後の要件をクリアするためには、準備が必要です。
(7)次の就職関連情報を開示していること
・社内教育、キャリアアップ制度等
・過去3年度分の新卒者の採用実績及び定着状況
・過去3年度分の新卒者以外の
正規雇用労働者(35歳未満)の採用実績と定着状況
・前年度の有給休暇および育児休業の実績
・前年度の所定外労働時間(月平均)の実績
これらのデータは、立派なものである必要はありません。まずは、きちんと公開できる状況にすることが最初の一歩になります。その上で、年々改善していくという方針で問題ありません。地域の「若者応援企業」は厚労省のHPで公開されていますので、競合他社を参考に、労務管理の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。
弊社では、魅力ある勤務環境に向けた制度設計のご提案も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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