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消費税|一括比例配分方式の注意点について

2018/07/03

Q、消費税の仕入税額控除で個別対応方式と一括比例配分方式がありますが、一括比例配分方式の注意点について教えてください。

  A、一括比例配分方式は2年間の継続適用が強制されるため、翌年に課税売上割合が下がる場合には注意が必要です。

解説(公開日:  最終更新日:

消費税法上、一括比例配分方式を採用した事業者は、一括比例配分方式を採用した課税期間の初日から同日以後2年を経過する日までの間に開始する各課税期間において一括比例配分方式を継続して適用した後の課税期間でなければ、個別対応方式により計算することはできないこととされています。(消法30⑤)

  

まず消費税の仕入税額控除については、下記HPに記載のとおり、個別対応方式と一括比例配分方式がございます。その課税期間中の課税売上高が5億円以下かつ課税売上割合が95%以上である場合には全額が控除対象となりますので、個別対応方式か一括比例配分方式かの選択は必要ございません。

 

消費税の基本的な計算方法は下記HPをご覧ください。

   >>仕入控除税額の計算方法  

一括比例配分方式を採用するケースは下記ようなのケースが挙げられます。

 
  • ① 前期が全額控除又は個別対応方式の場合に限っては個別対応方式か一括比例配分方式かの選択は申告時にできるため、その有利判定の結果、一括比例配分方式の方が有利だった
  • ② その課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額を、課税売上げにのみ要するもの、非課税売上にのみ要するもの、共通して要するものの3つに区分できていないため、個別対応方式を適用することができなかった
 

冒頭にも記載したとおり一括比例配分方式の注意点は、一旦適用したら2年間は継続適用が強制される点です。

 

もしも翌期に土地の売却などをして課税売上割合が大きく減少した場合には、全ての課税仕入等に係る税額に対し、低い課税売上割合を乗ずることになってしまい、仕入控除税額が減ってしまいます。(納税額が大きくなります)

 

後からそれに気づいて、前期は一括比例配分方式ではなく個別対応方式に計算すべきだったとして修正申告又は更正の請求をしようとしても税務上は個別対応方式を選択することは難しいでしょう。

 

よって一括比例配分方式を選択する場合には、翌期の状況も踏まえて選択すべきですし、多少一括比例配分方式が有利であっても、個別対応方式を採用できる場合には、個別対応方式を選択したほうが安全でしょう。

       

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