2015/02/02
Q 採用内定者の研修に伴う費用の取扱いについて教えて下さい。
A 採用内定者研修に伴う費用を税務上ではどのように取扱うかについて、以下の通り3点にしぼってご説明いたします。
(1)採用内定者に支給する研修旅費について
研修に参加する採用内定者に対して支給する本社所在地から研修場所までの間の旅費を旅費規定に基づいて支給した場合、当該旅費が所得税法上の非課税とされる旅費に該当するかどうかについては次のように考えられます。
上記非課税とされる旅費は、「給与所得を有する者が、通常の勤務すべき場所を離れて職務を遂行するために必要な旅行をした場合に、その旅行に充てるために支給される金品で、その旅行に通常必要と認められるもの」となります。
「採用内定者」は「雇用関係に準ずる者」であり給与所得を有する者に該当し、また、採用内定者は未だ所属が決定されていない状態にあることが予想されますので、本社所在地から研修場所までの間の旅行は、「勤務すべき場所」を離れて行った旅行に該当するものと考えて差し支えないものと考えられます。
以上の点から、採用内定者に対して研修のために行う旅行に充てるために支給される金品で、その旅行に通常必要と認められるものについては、その支給額が適正なものであれば旅費の非課税扱いが適用されます。
(2)採用内定者に支給する研修手当について
「採用内定者」にとって今後の職務遂行のために必要な研修というのは、会社の指揮命令に従って行われる一種の職務の遂行に相当するものと考えられますので、研修1日当たり定額の手当てを支給する場合には、給与として課税対象となると考えられます。
(3)採用内定者の研修終了後に実施する懇親会費用の負担について
上記懇親会費用の支払いが福利厚生費に該当するかについては次のように考えられます。
本来福利厚生費の対象となる支出は役員又は使用人の全員を対象として開催されるものであることが前提となっています。したがって、 採用内定者のみを対象とするホテル等での懇親会の費用負担については、税務上は「交際費等」に該当する可能性があるものと考えられます。
採用内定者の取り扱いに関しましてはその他にも従業員とは異なる点もありますので、是非ガルベラ・パートナーズグループまでご相談ください。