2015/02/16
Q 弊社は、契約書や取引で発生した書類(領収書等)が大量に発生するので、保管場所に困っております。何かいい方法はないでしょうか。
A 平成27年度税制改正では、国税関係書類に係るスキャナ保存制度の見直しが行われます。
税務署長の承認を受けた者は、国税関係書類について一定の要件を満たすことによりスキャナにより記録された電磁的記録で保存することが可能になっています。
スキャナ保存は具体的には、納品書・約束手形等の資金移動直結書類、見積書・注文書等の一般書類に加えて3万円未満の契約書・領収書が対象となっておりますが、今回の改正では契約書・領収書に係る3万円未満の金額基準が廃止され3万円以上の契約書・領収書も対象になります。
スキャナ保存の承認の要件としては、内部統制を担保するために、相互けん制、定期的なチェック及び再発防止策を社内規定等において整備するとともに、これに基づいて実施ていることが要件となります。
また、スキャナ保存の要件の1つである入力者等の電子署名を不要とし、タイムスタンプを付すこととするなどの見直しが行われるほか、見積書、注文書等の一般書類については、スキャナで読み取る際に必要とされている書類の大きさに関する情報の保存を不要とするとともに、白黒での保存でも要件を満たすこととされるなど運用が簡易になるような見直しが行われます。
スキャナ保存制度の承認件数は平成25事務年度の累計で133件と多くはないですが、金額基準等の廃止やその他見直しが行われることにより運用がしやすくなったことで多くの企業でペーパーレス化が進むきっかけとなりそうです。
平成23年12月税制改正により青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間が9年とされたことに伴い、平成20年4月1日以後に終了した欠損金の生じた事業年度においては、帳簿書類の保存期間が9年間に延長されておりますし、こうした取引関係の書類が膨大となる企業様においては、こちらのスキャナ保存による書類の電磁的な保存方法も検討されてはいかがでしょうか。