2015/02/20
Q 税務調査が最近来ないのですが、最近の税務調査で注意すべき点を教えてください。
A 平成25年1月から税務調査の方法が改正され、調査の事前通知・帳簿書類の預かり・調査結果の説明等が明確化されました。この改正により、調査官の署内手続きが煩雑になり、調査件数は前年比約70%と下落しておりましたが、昨今は一転、件数が増えてきている状況です。
この改正では、調査官の職権による強引な調査を避けるため、事前に調査項目を通知し、調査結果を明確に伝え、修正申告するかどうか納税者と話し合いのもと決めることが明確になりました。
税務調査による納税者の不満は多くあると思いますが、税務署には「納税者支援調整官」という担当が在籍し納税者の視点に立って納税者からの苦情等の事実関係の確認と解決を行っていますので、何かあれば問合せするのも一つの手段です。
さて本題の最近の税務調査のポイントですが、上記の改正から調査官も無理な調査ができず調査内容自体が最近オーソドックスになっていると感じます。最近の税務調査のポイントは下記の通りです。
(1)決算期末の期ズレ
期末の売上の計上漏れ、翌期経費の早期経費計上の指摘。
(2)架空人件費
会社の給与一覧表、タイムカード、社内の座席表、銀行からの出金を確認することで実態を確認。
(3)年末調整の整合性
源泉所得税の納付漏れの指摘をするために甲欄、乙欄、丙欄を確認。
(4)消費税区分の確認
海外旅行、ビール券など不課税となる項目を課税にしていないかどうかの確認。
(5)源泉所得税の確認
源泉所得税について徴収すべき者に対して徴収しているかどうかの確認と納付が遅れていないかどうかの確認。
(6)印紙税の貼付忘れ
契約書や5万円以上の領収書に印紙の貼付があるかどうかの確認。
以上の項目が主なものになります。
飲食店では調査前に調査官が実際にお店に食事に来るケースも見受けられますので、現金管理や領収書の印紙の貼付忘れには注意が必要です。また、上記の項目の中で最も注意して頂きたいものは、(1)の期ズレになります。こちらは、比較的に容易に発見され、納税者との見解の相違が発生しにくいことと、今期か来期に計上されるものですので税務署・納税者・税理士の3者の折り合いが付きやすいものです。
ガルベラ・パートナーズグループでは、上記のノウハウの他、税務調査を早期に終わらせるポイントをマニュアル化しております。税務調査に関するセカンドオピニオンも実施しておりますので不明点等ございましたらお問合せください。